2009年1月〜3月 パソコン自作関係の最近の情報

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3/29版 定番エントリー電源CORE POWER3に進化

サイズのエントリー向けのATX電源ユニットとして、人気のあるのCORE POWERシリーズがバージョンアップされCORE POWER3シリーズとなって発売されました。

 CORE POWER3シリーズは、定格400W、500W、600Wの3モデルが揃っており、旧モデルのCORE POWER2シリーズと比べると、スペック上は、+12V系の出力が+12V1と+12V2ともに、400Wモデルが18A(最大出力290W)から14A(290W)に、500Wモデルが20A(340W)から18A(350W)に、600Wモデルが20A(480W)から19A(420W)に低下しています。

 また冷却ファンは、引き続き小軸で大型ブレードの12cmファン「KAZE-JYUNI」が採用されているものの、最大ノイズレベルは400Wモデルが18.5dBAから23.5dBAへ、500Wモデルが24.9dBAから26.5dBAへ、600Wモデルが26.5dBAから28.0dBAへと高くなっており、少しうるさくなっても最大回転数を引き上げて冷却能力を高めているのでしょう。

 こうしたスペック表記上は、やや旧モデルに劣るものの実質的な能力としては大差なく、通常使用する出力レベルでは静かな電源であることに変わりはなく、一次側に日本製コンデンサを採用し、全てのケーブルにソフトタイプスマートメッシュ結束加工を採用しており、品質面では高級モデルに近い仕様へと改良されたことがメリットです。

 SLIとCrossFireへの対応は、PCI-EXPRESS 6+2ピンコネクタを2個搭載しており、500Wモデルと600Wモデルは使用できるビデオカードの消費電力に限界があるとしても対応していますが、もともと他メーカーの製品でも400Wクラスの電源ユニットではSLIやCrossFireでの使用は無理があり、CORE POWER3の400Wモデルでのデュアルグラフィックス動作は推奨しないと明示されています。

 最近のトレンドである80PLUS認証の取得モデルではないものの、引き続きコストパフォーマンスの良いエントリーモデルとしてCORE POWER3シリーズは魅力ある電源ユニットでしょう。

http://www.scythe.co.jp/power/core-power3.html




3/22版 MSI製SocketAM3マザーボード発売

MSIからSocketAM3対応のAMD790FXチップセット搭載ATXマザーボード「790FX-GD70」とグラフィック統合型AMD790GXチップセット搭載ATXマザーボード「790GX-G65」が発売されました。

 いずれもSocketAM3版のPhenoIIとDDR3メモリーをサポートし、サウスブリッジはストレージコントローラ機能としてRAID5のサポートと、倍率可変に対応したBlack Editionの性能を最大限に引き出すAdvanced Clock Calibration機能が加わった最新のSB750を採用しています。

 この両モデルの大きな相違は、もちろんグラフィックを内蔵しているかどうかですが、その他のスペックを比べてみると、以下のように「790FX-GD70」がむしろオーバースペック気味のハイエンド仕様であり、普通に使うのであれば「790GX-G65」でも高機能なマザーボードでしょう。

  790FX-GD70 790GX-G65
対応DDR3メモリ DDR3 2133(OC)〜800MHz DDR3 1600(OC)〜800MHz
SATAサポート SATA2 ×8ポート
eSATA×1(USBと排他利用)
SATA2 ×5ポート
eSATA×1ポート
VGAスロット PCI Express 2.0x16×4スロット PCI Express 2.0x16×2スロット
ネットワーク ギガビットイーサネット×2 ギガビットイーサネット×1
USBサポート USB2.0 ×12ポート
(うちI/Oパネル部8ポート)
USB2.0 ×12ポート
(うちI/Oパネル部6ポート)

なお「790GX-G65」は、内蔵グラフィックス「Radeon HD 3300」が優れている上に、グラフィックス専用「DDR3サイドポートメモリ」を128MB搭載しており、内蔵グラフィックスではインテルのプラットフォームも含めて描画能力が最も高く、さらに「ATI Hybrid Graphics」や「CrossFire(x8レーン)」をサポートしており拡張性も優れています。

 またMSIのマザーボードの独自機能としては、高効率省電力電源制御チップ「DrMOS(ドクターモス)」を「790FX-GD70」が搭載していますが、両モデルとも、ダイヤルでオーバークロックを微調整可能な「OC Dial」、「CMOSクリア、Power(電源)、Reset(リセット)」スイッチのボード上への実装と、CMOSセットアップメニューからBIOSアップデート可能な「M-Flash」機能が採用されています。

 うち「M-Flash」は、Intel製X58マザーボードの初期バージョンで不具合が発生したようですが、BIOSファイルのUSBメモリへのバックアップやUSBメモリ内のBIOSファイルから起動可能としており、BIOSアップデートを安全に行うために役に立ちそうです。

 SocketAM3対応マザーボードは、最初にSocketAM3版PhenoIIシリーズとして X3 720BlackEditionが発売された時点では、GIGABYTEの790FX搭載「GA-MA790FXT -UD5P」と、790X搭載「GA-MA790XT-UD4P」の2モデルみとスロースタートでしたが、その後ASUSの790FX搭載「M4A79T Deluxe」、SAPPHIREの790GX搭載「PC-AM3RS790G」、Jetwayの790GX搭載「HA08-LE」と揃ってきました。

 販売価格は、790FXマザーボードが2万円〜2万円台前半ですが、790Xマザーボードと790GXマザーボードは1万円台前半〜1万円台後半と買い易い価格で登場しており、特に790GXマザーボードは、SAPPHIREとJetwayのモデルも、サイドポートメモリを128MB搭載し、内臓グラフィックス性能が優秀であるというアドバンテージにより、取り敢えずビデオカードなしで使っても良さそうで人気となりそうです。

 SocketAM3版のPhenoIIがSocket AM2+マザーボードで使用できることもあって、メーカーは急いでいないのかもしれませんが、まだDDR3メモリーをサポートするSocketAM3対応のMicroATXマザーボードは発売されていません。

 SocketAM3版のPhenoIIが比較的好調な出足で、DDR3メモリーも値下がりしていますが、小型PCケースでDDR3メモリーが使用可能なMicroATXマザーボードは、もう少し待たなければならないようです。

http://www.msi-computer.co.jp/products/MB/790FX-GD70.html
http://www.msi-computer.co.jp/products/MB/790GX-G65.html
http://www.msi-computer.co.jp/product/mb/index.html
http://www.msi-computer.co.jp/company/press/20081117-01news.pdf




3/15版 GeForse GTS250搭載ビデオカード発売

3月11日からNVIDIAのGeForce GTS250を搭載するビデオカードが一斉に発売されています。
 このGeForce GTS250は、同じG92コアのGeForce 9800GTX+の名前を変えたモデルのようで、ストリーミングプロセッサ数128基、コアクロック738MHz、メモリクロック2200MHz(データレート)など基本スペックはGeForce 9800GTX+と全く同じとなっています。

 各社から発売されたビデオカードは、メモリーの搭載容量が512MB、1GB、2GBと3種類あり、冷却ファンもオリジナルなものが多いので個性的なモデルが多く、また、オーバークロックモデルも、InnoVISION(コア760MHz、メモリ2240MHz)、MSI(コア760MHz、メモリ2300MHz)、ZOTAC(コア750MHz、メモリ2300MHz)などから発売されています。

 こうした仕様の違いによって消費電力も少し差がありそうで、補助電源コネクタも6ピン×2、8ピン×1、6ピン×1と3種類のパターンがあり、購入するのであれば電源ユニットのビデオカード用の給電コネクタに合わせて、そのまま取り付け可能なものを選んだ方が無難でしょう。

 各ビデオカードメーカーともに、GeForce 9800GTX+搭載ビデオカードを製品化しているため、そのリネームモデルとも言われているGeForse GTS250搭載ビデオカードは最初から特色あるモデルを用意しているのでしょうが、NVIDIAのGPUのラインアップの位置づけは過渡期にあり少し解り難くなっています。

 GeForce 9800GTXは、登場したときは紛れもなくGeForce9シリーズのハイエンドクラスのGPUですが、2008年初夏にGeForce GTX200シリーズが発売された後にGeForce 9800GTX+がミドルクラスの価格帯で登場し、現在はNVIDIAのサイトで確認すると、GeForce9シリーズからGeForce 200シリーズに置き換えていく過程にあるようです。

 そしてGeForce 200シリーズでは、名前の意味が変わり、GeForce9シリーズの9800、9600、9500のように数字でグレードを表すのではなく、GeForce 200シリーズは上位から「GTX」、「GTS」、「GT」、「G」という順でグレードが示され、ミドルレンジ以下に、まだ搭載ビデオカードが未発売のGeForce GTS150、GT130、GT120、G100というラインアップが紹介されています。

 つまり、NVIDIAはそう呼ばないとしても「GTX」がハイエンド、「GTS」がミドルクラス上位、「GT」がミドルクラス下位、「G」がバリュークラスという感じであり、「GTS」クラスでは、不思議なことにGTS250と同じストリーミングプロセッサ数128基、コアクロック738MHzというスペックのGTS150が紹介されています。

 このGTS150以下のGPUは個人用のご購入はできませんと説明されており、個人用のミドルクラス以下のビデオカードは当面GeForce9シリーズが現役かもしれませんが、グラフィック内臓チップセットならともかく、ビデオカード以外に組み込み用のGPUなどあるのでしょうか不明です。

 GeForse GTS250搭載ビデオカードは、ハイエンド譲りのパフォーマンスで成熟して使い易そうなビデオカードが多く、バラエティも豊富で価格も1万5千円から選ぶことが可能とお買い得になっていますが、既にミドルクラス以上のGeForce9シリーズのビデオカードを使用していれば買い換える魅力はありません。

 前のシリーズと比べて製造プロセスやコアの設計を変えないで、名前だけ変えても新鮮味はなく、GeForce 200シリーズのミドルクラス以下のモデルでは、大きく差をつけられているRadeon勢に対抗できるGPUが登場して欲しいものです。

http://www.nvidia.co.jp/object/product_geforce_gts_250_jp.html
http://www.nvidia.co.jp/object/geforce_family_jp.html




3/ 8版 静音電源ユニットの今春のトレンド

サイズからオリジナル10cmファンKAZE-JYU搭載極静音ATX電源ユニット「鎌力4プラグインシリーズ」と、ENERMAXからENERMAX純正MAGMAファン搭載電源ユニット「ECO80+シリーズ」と今後売れ筋となりそうなモデルが相次いで発売されました。

 鎌力4プラグインシリーズは、先月発売された「鎌力4」の着脱式ケーブル採用モデルで、450Wモデル「KMRK4-P-450A」、550Wモデル「KMRK4-P-550A」、650Wモデル「KMRK4-P-650A」の3モデルがあり、いずれも全コンデンサに105℃品を採用し、うち一次側コンデンサは日本製105℃品を採用していること、80PLUS認証を取得していることなど品質面で改善されたモデルです。

 また電源の負荷に応じてファンスピードを制御するスマートファンコントロール機能を搭載しており、ノイズグラフを確認すると、負荷50%程度まではファン回転数が600rpmから上昇しないのでノイズレベルが低く、特に650Wモデルは、350Wの出力まではファン回転数600rpm、ノイズ9.2dBAと極めて低い上に、定格650Wの最大出力でもファン回転数が1600rpm、24.5dBAとかなり静かな電源ユニットです。

 「ECO80+シリーズ」は、400Wモデル「EES400AWT」、500Wモデル「EES500AWT」、620Wモデル「EES620AWT」の3モデルがあり、このシリーズも一次側は日本製アルミ電解コンデンサ、二次側は105℃品を採用しており、80PLUS認証を取得しています。

 また、「ECO80+シリーズ」の冷却ファンも、Twister BearingやBatwing Blade構造の羽を採用する静音12cmMAGMAファンを採用しており、電源内部の温度と電源の負荷に連動してファンスピードを自動制御し負荷50%時で最低回転数450rpm(16dB以下)と説明されており、さらにノイズグラフを見る限りにおいては、風量に対するノイズレベルが圧倒的に低いMAGMAファンで常用出力では1000rpmを超えることは滅多になさそうであり、最も静かな電源ユニットの部類でしょう。

 「鎌力4プラグインシリーズ」と「ECO80+シリーズ」で比較して選ぶとすると、スペック上は450W対400W、550W対500W、650W対620Wと「鎌力4プラグイン」が総出力で上回りますが、肝心の+12V出力を比べると、いずれも2系統であり、「ECO80+シリーズ」は+12V系が重視されているため、いずれもライバルとなるモデルは大差ないでしょう。

電源ユニット型番 +12V1 +12V2 +12V出力 総出力
KMRK4-P-450A 18A 18A 400W 450W
KMRK4-P-550A 25A 25A 450W 550W
KMRK4-P-650A 25A 25A 552W 650W
EES400AWT 22A 22A 384W 400W
EES500AWT 24A 24A 456W 500W
EES620AWT 30A 30A 576W 620W

「鎌力4プラグインシリーズ」も「ECO80+シリーズ」も、電源の負荷が20%〜100%の環境下において、電源変換効率が80%以上の基準を満たした製品に対する認証である80PLUS認証を取得している電源ですが、2006年秋にAntec製のEarthWattsシリーズが登場したときは、それほど80PLUS認証の取得が注目されていたわけではなく、むしろAntec製電源ユニットの中でもEarthWattsシリーズは高級品ではなく省エネをアピールする普及価格帯のモデルでした。

 つまり80PLUS認証の取得自体が電源の品質を保証するものではないのですが、消費電力が低いことは低発熱で寿命にも良い影響があり、昨年秋ごろから80PLUS認証を取得していることが品質の良い電源ユニットの看板となり、ミドルクラスの価格帯のモデルは80PLUS認証の取得がトレンドとなりつつあります。

 この80PLUS認証の取得、使用するコンデンサなど素材の高品質化、さらなる冷却ファンの静音化が新しい電源ユニットの差別化のポイントとなっています。

http://www.scythe.co.jp/power/kamariki4-p.html
http://www.enermaxjapan.com/ECO80series_top/ECO80_top.html




3/ 1版 クアッドコア Phenom II X4 810発売

AMDのSocket AM3版Phenom IIは、先週トリプルコアのX3 720 BEが発売されたのに続いて、今週はクアッドコアのPhenom II X4 810(動作クロック2.6GHz、L3キャッシュ4MB)が発売されました。

 これで2月9日に発表されたSocket AM3版Phenom IIのうち自作市場向けに国内で発売される予定のモデルは出揃い、Socket AM2+版も含めてPhenom IIシリーズは、現時点で価格の高い順に、X4 940BE が2万3千円前後、X4 920 が1万9千円前後、X4 810 が1万7千円台、X3 720BE が1万4千円台で販売されており、総合的な性能では、この価格の順にパフォーマンスが良いようです。

 この4モデルのうち、Socket AM2+版のX4 940BEとSocket AM3版のX3 720BE が倍率可変の Black Editionであり、オーバークロックして使う楽しみがあって人気が高いのですが、将来主力となる本流は、DDR3メモリーをサポートするSocket AM3版のクアッドコアプロセッサであり、この初物のX4 810も注目すべき存在です。

 Socket AM2+版のPhenom IIは、CPUのみ換装するのであれば低コストで乗り換えることができますが、最近はDDR3メモリーも値下がりして買い易くなってきており、パーツを一通り購入して新たに自作する場合は、Socket AM3版のクアッドコアプロセッサを使用することが将来性に優れています。

 Phenom II X4 810をIntelのクアッドコアプロセッサと比べると、Core2 Quad Q8300(動作クロック2.5GHz、L2キャッシュ4MB)と概ね同価格で性能もQ9400以下の下位モデルと得意・不得意はあっても大差ないレベルであり、やはりSocket AM3版の動作クロック3.0GHz以上のフラッグシップモデルが早く登場してほしいところですが、X4 810が売れ筋モデルとなればAMDの巻き返しも順調ということでしょう。

http://www.amd.com/us-en/Processors/ProductInformation/0,,30_118_15331_15917%5e15921,00.html




2/22版 Socket AM3版 PhenomII発売

既にAMDが発表しているSocket AM3対応の「Phenom II」シリーズのうち、2月20日にトリプルコアのPhenom II X3 720BlackEdition(動作クロック2.8GHz、L3キャッシュ 6MB)が発売され、同時に国内で発売が予定されていないX3 710(2.6GHz、L3 6MB)も並行輸入版が発売されました。

 このSocket AM3版 PhenomIIは、新しい45nm製造プロセス世代でAMDとして初のDDR3メモリーをサポートするCPUですが、発売当初価格は、720BEが1万4千円程度、710が1万3千円程度と、クアッドコアではなくトリプルコアであるとしても安い価格で発売されています。

 特にPhenom II X3 720BEは、PhenomU X4 920と同じ動作クロック2.8GHzと高い上に倍率可変であること、L3キャッシュ6MBと近日中に登場予定のクアッドコア X4 810(2.4GHz、L3 4MB)よりクロックが高いだけでなくキャッシュも上回ること、HTクロックが2.0GHzとSocket AM2+版のPhenom IIの1.8GHzを上回りDDR3メモリーをサポートしていることから、これまでのAMDのトリプルコアの単に価格が安い廉価モデルというイメージを払拭して人気モデルとなりそうです。

 しかもSocket AM3版 PhenomIIは、DDR3メモリーをサポートするSocket AM3対応マザーボードだけでなく、BIOSをアップデートする必要があるとしても既存のSocket AM2+マザーボードでDDR2メモリーが使用可能であり、例えばASUSでは対応BIOSの提供を順次進めているなど取り敢えずCPUのみ載せ替えということができます。

 Intelのプラトフォームでも、LGA775ソケット対応CPUでは、CPUにメモリーコントローラが内蔵されていなくチップセットがDDR2とDDR3メモリーの両対応が基本であるため、マザーボードのメモリースロット次第でCPUはDDR2とDDR3メモリーのどちらでも使えることは当然のことですが、LGA1366ソケットでメモリーコントローラ内蔵のCore i7シリーズはDDR3メモリーしか使えないため、Socket AM3版 PhenomIIは互換性の高さがメリットとなります。

 AMDのPhenom IIシリーズがIntelのCore i7シリーズと肩を並べるためには、Socket AM3版の動作クロック3.0GHz以上のクアッドコアのフラッグシップモデルの登場が待ち望まれますが、この720BEの登場で1万円台半ばの価格帯のCPUは一気にAMDが優勢となる可能性があり、それがSocket AM3版でクアッドコアより先にトリプルコアが発売された狙いなのでしょう。

 ただしSocket AM3版 PhenomIIのTDPは95Wであり、TDP100WオーバーのSocket AM2+版のPhenom IIやCore i7シリーズよりは消費電力が抑えられているものの、トリプルコアのPhenom II X3 720BEでもクアッドコアと同じ設計でありTDPの95Wは止むを得ないところです。

 ゆえに小型PCケースや静音パソコンでは、AMD、Intelともに引き続きTDP65W以下の低消費電力版のCPUが無難でしょうが、消費電力の制約がないミドルタワーケースで使うのであれば、トリプルコアのSocket AM3版 PhenomIIが安くて極めてコストパフォーマンスが良いでしょう。

http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543_15944~130274,00.html
http://www.amd.com/jp-ja/Processors/ProductInformation/0,,30_118_15331_15917,00.html
http://www.asusjp.com/event/AMD_AM3_CPU_Support/




2/15版 Socket AM3対応マザーボード発売

AMDは2月9日に、Socket AM3対応の「Phenom II」シリーズを発表しており、このクアッドコアプロセッサとトリプロコアプロセッサは、国内では2月の下旬頃から発売される予定ですが、CPUより先にGIGABYTEからSocket AM3対応のマザーボードが2モデル発売されました。

 発売されたGIGABYTE製マザーボードは、AMD 790FXチップセットを搭載する「GA-MA790FXT -UD5P」とAMD 790Xチップセットを搭載する「GA-MA790XT-UD4P」であり、もちろんSocket AM3対応ですからDDR3メモリーをサポートしており、DDR3 1666/1333/1066に対応するメモリースロットを4基装備しています。

 この2モデルは、ともにサウスブリッジがSB750で、共通の仕様として8チャンネルHigh Definition Audio(Realtek ALC889A)を採用しており、また品質面では、DualBIOS搭載、Ultra Durable3搭載と、BIOSアップデートの安全性に配慮されていて高い耐久性と信頼性が確保されていることも共通です。

 この2モデルの異なる点は、上位の「GA-MA790FXT -UD5P」が、PCI Express x16×2と16レーンのCrossFireX対応、デュアルギガビットLAN対応、USB2.0×12(うち内部4ポート)、3Gb/s対応SATAポート×10であるのに対し、下位の「GA-MA790XT-UD4P」は、PCI Express x16×1、x8×1と8レーンのCrossFireX対応、ギガビットLAN対応、USB2.0×10(うち内部4ポート)、3Gb/s対応SATAポート×8となっていますが、これらのポート数は下位モデルでも一般的には十分でしょう。

 国内販売代理店リンクスインターナショナルの店頭予想価格は、「GA-MA790FXT -UD5P」が20,900円前後、「GA-MA790XT-UD4P」が16,900円前後と初物なのに安い価格設定であり、いずれも発売当初価格は、店頭予想価格より、さらに少し安い価格で発売されています。

 Socket AM3対応マザーボードは、ASUS、MSIも既に発表しており、ASUSのAMD 790FXチップセット搭載の「M4A79T Deluxe」とAMD 790GXチップセット搭載の「M4A78T-E」は2月中旬に出荷予定であり、MSIのAMD 790FXチップセット搭載の「790FX-GD70」は3月発売予定となっています。

 肝心のSocket AM3対応CPUは、クアッドコアのPhenom II X4 910(2.6GHz、L3キャッシュ 6MB)、810(2.6GHz、L3 4MB)、805(2.5GHz、L3 4MB)とトリプルコアのPhenom II X3 720BE(2.8GHz、L3 6MB)、710(2.6GHz、L3 6MB)が発表されていますが、うち日本国内での発売は、トリプルコアのX3 720BEが2月下旬、クアッドコアのX4 810が3月との情報で、その他のモデルは国内ではリテールパッケージ品が発売されないようです。

 せっかく高性能なDDR3メモリーをサポートするSocket AM3版なのに、Socket AM2+版のX4 940(3.0 GHz、L3 6MB)に匹敵またはそれ以上の動作クロックのフラッグシップモデルが当初から発売されないのは少し期待外れですが、発表されたSocket AM3版Phenom IIは全てTDPが95Wに抑えられており、その点は評価できそうです。

 Phenom IIのモデルナンバの900番台はクアッドコアのキャッシュ6MB版、800番台はクアッドコアのキャッシュ4MB版、700番台はトリプルコアを表し、モデルナンバの下二桁は動作クロックを表し40が3.0 GHz、20が2.8GHz、10が2.6GHz、05が2.5GHzとという規則性が読み取れますが、パフォーマンスはどうかと比べると判断が難しそうです。

 近いうちに発売されるトリプルコアのX3 720BEとX4 810のスペックを比べても、810はクアッドコアで720BEはトリプルコアでも、720BEはクロックが2.8GHz、L3キャッシュが6MBといずれも810を上回り、そして両モデルはHTクロックが2.0GHzとSocket AM2+版のPhenom IIの1.8GHzを上回り、少し高速なDDR3メモリー対応です。

 総合的なパフォーマンスを比べたときには、上から順にSocket AM2+版のX4 940、920、Socket AM3版のX4 810、X3 720BEという出荷価格と同じ順になるのでしょうが、ベンチマークテストや状況によって得意、不得意がありそうなことと、モデル間の価格差ほどパフォーマンスの差がないのではという印象です。

 そのためパフォーマンス最優先であれば、Socket AM3版の高クロックモデルを待った方が良いのでしょうが、1000個ロット単位の出荷価格が、X4 810は175ドル、X3 720BEは145ドルと安く、価格が安いこととTDPが95Wであることが魅力であり、それがAMDのアピールポイントでしょう。

 このところDDR2メモリーは底値に達したような値動きですが、まだDDR3メモリーは値下がりが続いており、Socket AM3版のPhenom IIの発売で、ようやくDDR3メモリーへの移行が進みそうです。

http://www.links.co.jp/items/gigabyte-amd/gama790fxtud5p.html
http://www.links.co.jp/items/gigabyte-amd/gama790xtud4p.html
http://www.msi-computer.co.jp/company/press/20090209-01news.pdf
http://www.asus.co.jp/news_show.aspx?id=14269
http://www.amd.com/us-en/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543_15944~130230,00.html
http://www.amd.com/us-en/Processors/ProductInformation/0,,30_118_15331_15917%5e15921,00.html
http://www.amd.com/us-en/Processors/ProductInformation/0,,30_118_609,00.html




2/ 8版 全高64mmのCPUクーラー発売

サイズから全高64mmと背が低いロープロファイル向けのCPUクーラー「Shuriken(手裏剣)リビジョンB」が発売されました。

 「Shuriken(手裏剣)リビジョンB」の型番はSCSK1100で、昨年1月に発売された「SHURIKEN(SCSK-1000)」が販売終了となり、LGA1366対応モデルとしてリビジョンBに置き換わったようですが、最近は背が低いCPUクーラーは貴重な存在です。

 サイズの現行モデルでロープロファイル型は、他にはNINJA miniがあり、こちらはサイドフロータイプですからサイドパネルとの隙間は狭くても構わないとしても全高115mmあり、スリムタイプのPCケースで使うのであれば「ShurikenリビジョンB」の方がふさわしいでしょう。

 「ShurikenリビジョンB」の冷却ファンは、PWM4ピン接続の厚さ12mmの100mmファンであり、ファン回転数が650±200rpm〜2200rpm±10%、風量が11.81CFM〜31.91CFM、ノイズが10.5dBA〜31.67dBAと、スペック的には120mmファンより風量が少ないことは止むを得ないでしょう。

 この厚さ12mmのファンはオリジナルファンで、市販の90mmまたは92mmファン(リブ無しタイプのみ)への換装が可能であり、標準の厚さ25mmのファンに換装すれば少し背は高くなりますが、ファンを換装して、もっと風量を多くすることができることはメリットです。

 ただし、「ShurikenリビジョンB」は小型のPCケースでも使用可能なことが本来のメリットであり、オーバークロックをするために使うつもりであれば。もっと冷却能力の高いCPUクーラーの方が良いでしょう。

 この寒い季節なのにCPUクーラーの新製品が相次いでいるのは、Core i7が採用している大型のLGA1366ソケットのクーラーの固定位置に取り付け可能なように、メーカーがLGA1366対応を進めているという背景がありますが、サイズからも、「AXP-140」、「KILLER WHALE」、「刀3クーラー」、「鎌アングル・リビジョンB」と、1月以降もCPUクーラーの新モデルの発表と発売が続いています。

 特に昨年晩秋から今春に登場したCore i7やPhenomIIは、TDPが100Wオーバーと高くて高熱となること、またPhenomIIはオーバークロック耐性が高いことから、今後CPUクーラーを換装したいというニーズが高くなりそうです。

http://www.scythe.co.jp/cooler/shuriken-revb.html
http://www.scythe.co.jp/etc/core-i7.html
http://www.scythe.co.jp/




2/ 1版 容量1TB超のハードディスクの増加

これまで容量1TBを超えるHDDは、SeagateのBarracuda 7200.11 シリーズの容量1.5TBモデル「ST31500341AS」のみ市販されているという状況でしたが、Western Digitalが1月27日(カリフォルニア現地時間)に、WD Caviar Greenシリーズに容量2TBモデルの追加を発表し、SamsungからはEcoGreen F2シリーズの容量1.5TBモデルが発売されました。

 Western Digital製の2TBモデルは、発表資料によると、世界初の容量2TBモデルで、500GBプラッタを採用し、32MBキャッシュとのことで、まだ国内では流通していませんが、同社の日本サイトでも、WD Caviar Greenシリーズに「WD20EADS」として追加されています。

 Samsung製のHDDは、これまで容量1TBのモデルとして、回転数7200rpmでパフォーマンス重視のSpinpointF1シリーズの「HD103UJ」と、回転数5400rpmで消費電力を抑えたEcoGreenシリーズの「HD103UI」が流通しており、このEcoGreenシリーズのカテゴリーの中に、新たにEcoGreen F2シリーズとして容量1.5TBの「HD154UI」と容量1TBの「HD103SI」が追加され発売されています。

 新しい「HD154UI」、「HD103SI」ともに、500GBプラッタを採用し、キャッシュ32MBというスペックであり、回転数5400rpmながらも1プラッタ容量の増加により従来のEcoGreenシリーズより転送速度が向上しています。

 Western DigitalもSamsungも、500GBプラッタを採用することにより1TB超の大容量化を実現し、転送速度を向上させており、さらに大容量モデルは低消費電力を売りにするシリーズを先行してリリースしていることも共通です。

 SSDの台頭により、将来的には起動ドライブは、HDDからSSDに置き換わっていくトレンドが強まりそうな中で、HDDは容量当たりの単価が安いため、大容量のデータ保管用に適しています。

 そして起動ドライブでなければ最速ドライブでなくても、処理速度と発熱や静音性などのバランスが取れている低消費電力シリーズのHDDが使い易く、徐々にパフォーマンスシリーズと人気を分け合うようになってきており、メーカーとしても低消費電力シリーズに力を入れているのでしょう。

 1月中旬にSeagateが、2008年12月に製造したHDDがファームウエアのトラブルでアクセス不能になる不具合を発表して世間を騒がせており、結局、日本国内で販売されている製品は該当しないようですが、一時期は唯一の容量1.5TBモデル「ST31500341AS」も販売が控えられていました。

 HDDは大きなマーケットがあって、自作市場へは一部バルク品が流れてくるという構造であり、メーカーが限られている中で、容量1TBを超えるモデルが多くなれば選び易くなり、いよいよHDDはTB単位の時代へとなりつつあります。

http://www.wdc.com/jp/products/products.asp?driveid=576
http://www.samsung.com/global/business/hdd/productmodel.do?group=72HD154UI
http://www.samsung.com/global/business/hdd/productmodel.do?group=72HD103SI




1/25版 TDP65W版のCore2 Quad発表

インテルは1月18日付けで、Core2 QuadのTDP65Wの低消費電力版として、Q9550s(2.83GHz L2キャッシュ12MB)、Q9400s(2.66GHz 同6MB)、Q8200s(2.33GHz 同4MB)の末尾に「s」が付く3モデルをラインアップに追加しました。

 既存のCore2 QuadはTDP95Wであり、昨年11月に発売されたCore i7シリーズはTDP130Wと、インテルのクアッドコアプロセッサは消費電力が高いモデルしかなかったという状況の中で、TDP65W版のCore2 Quadは待望の低消費電力モデルとなります。

 1000個ロット単位の出荷価格は、Q9550sが369ドル、Q9400sが320ドル、Q8200Sが245ドルですが、同時に既存のプロセッサの価格改定が行われており、Core2 Quad Q9650が530ドルから316ドルに、Q9550が316ドルから266ドルに、Q9400が266ドルから213ドルに値下げされています。

 その新価格体系では、TDP65W版のCore2 Quadは、それぞれTDP95Wの既存の同クロックモデルと比べて100ドル程度割高となり、結果としてQ9550sとQ9400sは、上位のCore2 Quad Q9650(316ドル)や新世代のCore i7 920(284ドル)よりも高価なCPUとなっています。

 しかし、AMDのクアッドコアPhenom X4のTDP65W版がTDP95W以上のモデルと比べてクロックが低いモデルに限られているのに対して、インテルのCore2 Quad のTDP65W版は比較的高クロックであるQ9550sがあることでパフォーマンスにあまり妥協せずに低消費電力版が選べるという魅力があります。

 かつて、AMDのデュアルコアの最高峰のAthlon 64 6400+がデュアルコアCPUとしてはTDP125Wと高すぎて消えていったように、いくらパフォーマンスが良くても、TDP100W以上のCPUは敬遠したいというユーザーも多く、少し価格が高くてもTDP65W版のCore2 Quadは価値のある存在でしょう。

 今回のIntelの価格改定に対抗して、一方のAMDも追随して1月19日付けで価格改定を行っており、今月発売されたばかりのPhenomII X4シリーズも 940が275ドルから225ドルへ、920が235ドルから195ドルへと値下げされています。

 PhenomII X4 940は、発売当初の売れ行きが好調であり、かつてない異例の値下げという印象ですが、パフォーマンス的に近いCore2 Quad Q9650、Q9550が大幅に値下げされたため、バランスを取るために止むを得ないのでしょう。

http://www.intel.co.jp/jp/products/processor_number/chart/core2quad.htm
Intel Processor Price List
http://www.amd.com/jp-ja/Processors/ProductInformation/0,,30_118_609,00.html




1/18版 55nm版の Geforce GTXシリーズ登場

先週から今週にかけて、55nm版の Geforce GTXシリーズとして、Geforce GTX295、Geforce GTX285、Geforce GTX260と、NVIDIAの新型GPUを搭載するビデオカードが次々と発売されています。

 Geforce GTX295は、デュアルGPUでストリームプロセッサ数480(240×2)基、コアクロック576MHz、メモリークロック999MHz(データレート1998MHz)、メモリーインターフェース幅896bit、最大出力289Wと、NVIDIAの最高峰のGPUとなり、既に先週からMSI、ZOTAC、XFX、GALAXY、玄人志向などから搭載ビデオカードが発売されています。

 Geforce GTX285は、ストリームプロセッサ数240基、コアクロック648MHz、メモリークロック1242MHz(データレート2484MHz)、メモリーインターフェース幅512bit、最大出力183Wであり、シングルGPUとしては最上位のモデルとなり、この週末に、MSI、ZOTAC、Leadtek、GIGABYTE、InnoVISIONなど一斉に数多くの搭載ビデオカードが発売されています。

 既存のフラッグシップモデルGeforce GTX280は、ストリームプロセッサ数240基、コアクロック602MHz、メモリーデータレート2214MHz、メモリーインターフェース幅512bit、最大出力236Wであり、Geforce GTX285は55nm版に移行したことによって、クロックを上げて消費電力を抑えることができ、その結果ヘビーゲーマーでなくても少しは扱いやすいモデルへと進化しています。

 55nm版のGeforce GTX260は、NVIDIAが未発表でそのサイトでは確認できませんが、Leadtekから55nm版の「WinFast GTX 260 EXTREME+」が発売されており、そのスペックは、ストリームプロセッサ数216基、コアクロック602MHz、メモリーデータレート1998MHz、メモリーインターフェース幅448bitとなっています。

 なおGeforce GTX280は、発売当初モデルは最大出力236Wとされていましたが、現在NVIDIAのサイトで確認すると182Wと記載されています。GeForce 9800GTXと9800GTX+の前例があるので、55nm版のGeforce GTX280もリリースされるかもしれませんが、今のところ不明であり、Geforce GTX285とあまりにもスペック的に近すぎるために必要がなさそうです。

 新型GPU搭載ビデオカードの発売当初価格は、Geforce GTX295ビデオカードが5万円台の価格、Geforce GTX285ビデオカード4万円台前半の価格、WinFast GTX 260 EXTREME+が3万円程度と、特にGTX 260はミドルクラス並みと安い価格です。

 ライバルのRadeon HD4800シリーズが、55nm製造プロセスである優位性を活かして、ストリームプロセッサ数を増やして大幅に性能をアップしつつ消費電力と価格を抑えたことが、圧倒的に優勢となった要因であり、Geforce GTXシリーズも55nm製造プロセスとなって、対コストと対消費電力のパフォーマンスが改善されています。

 55nm版の Geforce GTXシリーズは、既存のGeforce GTXシリーズやRADEON HD4800シリーズのビデオカードを使用しているユーザーの乗り換え対象としては物足りないかもしれませんが、新たにハイエンドビデオカードを購入するのであれば、性能と価格のバランスが取れていて魅力的なビデオカードでしょう。

http://www.nvidia.co.jp/object/geforce_family_jp.html
http://www.nvidia.co.jp/object/product_geforce_gtx_295_jp.html
http://www.nvidia.co.jp/object/product_geforce_gtx_285_jp.html
http://www.leadtek.co.jp/3d_graphic/winfast_gtx260e3_1.htm
http://www.nvidia.co.jp/object/io_1231478436748.html




1/11版 45nm版のPhenomU X4プロセッサ発売

AMDは1月8日(米国現地時間)に、開発コードネーム「Deneb」と呼ばれている45nm版のクアッドコアプロセッサPhenomU X4と、Radeon HD4800シリーズのビデオカードと、AMD 7シリーズのチップセットを組み合わせた「Dragon」プラットフォームを発表しており、この新プラットフォームの主役であるPhenomUプロセッサのうち、PhenomU X4 940が発売されました。

 AMDのサイトで紹介されているPhenomU X4プロセッサは、Socket AM2+対応のPhenomU X4 940(3.0GHz)と 920(2.8GHz)であり、いずれもHTクロック1.8GHz、TOTALキャッシュ8MB(L2キャッシュ512KB×4、L3キャッシュ6MB)、TDP125Wというスペックであり、上位モデルの940は倍率可変のBlack Editionです。

 既存の最上位モデルのPhenom X4 9950 Black Edition(2.6GHz)は、HTクロック2.0GHz、TOTALキャッシュ4MB(L2キャッシュ512KB×4、L3キャッシュ2MB)、TDP125W(発売当初モデルはTDP140W)というスペックであり、PhenomUでは45nm製造プロセスに移行したメリットを活かして、TDPを据え置いて動作クロックを引き上げ、キャッシュを倍増させています。

 AMDのPR資料によると、PhenomU X4 940はPhenom X4 9950BEの120%以上のパフォーマンスを発揮するとのことであり、スペック的に既存のPhenom X4の性能を上回ることは当然のことですが、Intelが去る11月にCore i7シリーズを発売して間もないため、Intelのクアッドコアプロセッサと比べてどうかということが大方の関心でしょう。

 PhenomU X4の1000個ロット単位の出荷価格は、940が275ドル(約29,800円、メーカー希望小売価格)、920が235ドル(約24,800円、メーカー希望小売価格)であり、940の発売当初価格は3万円程度と、IntelのCore i7 920、Core2 Quad Q9550とほぼ同じ価格帯ですが、総じてWeb上のテストレポートでは、PhenomU X4 940のパフォーマンスはIntel製の同価格帯のクアッドコアプロセッサの性能に迫っているものの追い越してはいないようです。

 しかし、PhenomU X4はTDPが125Wのままでも、AMD Cool‘n’Quiet 3.0へと移行したこともあって消費電力が抑えられ、940はBlack Editionの中でもオーバークロック耐性が高いようであり、目を見張るパフォーマンスの向上ではないとしても、着実に良い方向にしか変わっていないという魅力があります。

 さらに、この2009年第一四半期中に、少し性能が良くなるDDR3メモリーをサポートするSocket AM3対応のPhenomU X4が発売される予定であり、しかもSocket AM3対応のPhenomU X4はSocket AM2+でも使用可能と互換性が高いというメリットがあります。

 Socket AM3とSocket AM2+のどちらでも使用可能ということは、ソケット側から見ればピン形状が同じということでしょうが、一方のIntelは、Core i7シリーズでLGA1366へとソケットを替え、そのことは必要があったとしても、メインストリーム向けに開発中のCPUはLGA1366ではない別のソケットとなり、その新しいソケットもLGA1366ソケットも2010年までの短い寿命のようであり、Intelも少しは互換性に配慮するという姿勢を先々見習って欲しいものです。

 今回発売されたSocket AM2+対応のPhenomU X4は、BIOSのアップデートが必要なのでしょうが既存のSocket AM2+プラットフォームでCPUだけ挿し替えて使用可能と導入コストが低いことがアピールされています。

 しかしSocket AM2+のマザーボードを持っていないのであれば、DDR3メモリーの価格が最近大きく値下がりしたため、将来性を考えてSocket AM3対応のPhenomU X4を待った方が良いのでしょう。そしてSocket AM3対応のPhenomU X4を購入したとしても、そのときメモリーまで購入する余裕がなければ取り敢えず手持ちのDDR2メモリーを使うことも可能であり、互換性が高いに越したことはないのです。

http://www.amd.com/jp-ja/Corporate/VirtualPressRoom/0,,51_104_543_15944~129707,00.html
http://amd.jp/campaign/dragon/45nm.html
http://www.amd.co.jp/Dragon/
http://www.amd.com/us-en/Processors/ProductInformation/0,,30_118_15331_15917,00.html
http://www.amd.com/us-en/Processors/ProductInformation/0,,30_118_609,00.html?redir=CPPR01



1/ 4版 2009年・高速SSD時代の到来

2008年末に、MLCタイプのフラッシュメモリを採用した高速SSD(Solid State Drive)として、Patriotの「PE256GS25SSDR」と、PhotoFastの「G-MONSTER V2」シリーズが発売されました。

 Patriotの「PE256GS25SSDR」は、リード240MB/s、ライト160MB/sの容量256GBモデルであり、PhotoFastの「G-MONSTER V2」シリーズは、リード230MB/s、ライト160MB/sで、128GBモデルの「PF25S128GSSDV2」と256GBモデルの「PF25S256GSSDV2」の2製品があります。

 いずれもMLC(Multi Level Cell)タイプのフラッシュメモリとして最速の部類であり、SLC(Single Level Cell)タイプを含めても現在最速のインテル製のX25-E Extreme(容量32GBまたは64GB、リード250MB/s、ライト170MB/s)に迫る高速SSDです。

 MLCタイプとSLCタイプでは、SLCタイプの方が高速で寿命が長く、MLCタイプは価格が安く大容量化に適していますが、Patriotの「PE256GS25SSDR」と、PhotoFastの「G-MONSTER V2」シリーズの発売で速度面ではMLCタイプで匹敵できることにより、今後もMLCタイプで大容量化と低価格化が進みそうです。

 そもそもSSDは、ストレージ(記憶装置)としてHDDと比べて、ヘッドや回転モータなどがない構造のため騒音が発生せず消費電力が低いこと、シークタイムのロスがなくランダムアクセス速度が速いこと、衝撃耐性が高いこと、軽量であることなどのメリットが多く、こうしたメリットはノートパソコンには最適と思っていましたが、2008年9月下旬のインテル製SSD発売以降に価格が急落してデスクトップパソコンでもSSDが注目されています。

 一方SSDのデメリットは、書き込み回数に制限があり寿命が心配であること、シーケンシャル書き込み速度が遅いこと、コストが高く大容量化が難しいことが挙げられていました。

 しかし、「G-MONSTER V2」シリーズのスペックを確認すると、MTBF(平均故障間隔)2,500,000時間、インテル製のX25-E ExtremeもMTBF2,000,000時間とむしろ寿命は200年以上と信頼性に問題がなく、ライト160MB/s〜170MB/sのシーケンシャル書き込み速度も高速HDDよりはるかに速く、残る弱点は価格が高いこと、今後どこまで値下がりするのかということだけでしょう。

 発売当初価格は、Patriotの「PE256GS25SSDR」が8万円台、「G-MONSTER V2」シリーズの256GBモデルが6万円台であり、大容量HDDの価格が劇的に下がって1TBの容量のHDDが8千円程度で購入できる時代ですから、容量あたりの単価ではSSDの方が何十倍と現時点では高価です。

 しかし、速いことが最善の起動用のドライブとしては64GBもあれば十分であり、このレベルの高速SSDがより買い易い価格で提供されることが待ち望まれますが、既に東芝がリード240MB/s、ライト200MB/sとさらに書き込み速度が高速な512GB〜64GBの10種類のモデルを2009年第2四半期から量産出荷することを発表しています。

 この他SSD市場では、日立GSTとインテルが共同開発したり、Seagateが参入したりとメモリーベンダーだけでなくドライブメーカーも含めて技術力のある企業が開発競争を続けており、2009年はシーケンシャルアクセス速度もランダムアクセス速度も文句なしに速いSSDが安く提供されることに期待が持てそうです。

 将来、ストレージデバイスの役割としても、起動ドライブ用には高速SSD、データ用には安価な大容量HDDが適しており、そのHDDがリムーバブルメディアのように取り外して自在に使えるようになってきていることを考えれば、SSDは小型・軽量で自由度も高く、現時点では容量あたり単価が高すぎますが、ストレージとメディアを区別する意味をなくしてしまうほど将来性のあるストレージでしょう。

http://www.flashmemory-japan.com/photofast/gmonsterv2.html
http://www.patriotmem.com/company/news/newsp.jsp?source=151
http://www.intel.com/design/flash/nand/extreme/index.htm
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2008_12/pr_j1801.htm



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