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<2004年4月-6月掲載分-今週のトピックス->
 
<ADSL関係の話題>

  6/27版 BUFFALOが高速BroadBandルータを発売
 
 
(株)バッファローは、6月23日に、新たな高速化技術「フレームバーストEX」機能に対応したブロードバンドルータ WZR-G54」と、CardBus11g無線LANカード「WLI-CB-G54S」のセットモデル「WZR-G54/P」を発売すると発表しました。

 この
WZR-G54」は、無線LANのIEEE802.11g規格の製品であり、従来のAirStation G54シリーズ採用している「フレームバースト」機能より高速通信が可能な「フレームバーストEX」機能を搭載しており、同社の測定では、従来の「フレームバースト」で最大29.5Mbps、「フレームバーストEX」で最大35.6Mbps向上しているとのことです。

 
バッファローは、昨年早い時期に、他社に先駆けてIEEE802.11g規格に準拠する機器を製品化しましたが、今年に入ってコレガ、プラネックス、I-O DATAなどが30Mbps台の速度が出る「SuperG」、「SuperA/G」機能を搭載する無線LAN機器を投入してからは、速度的には少し不利であったのが、「フレームバーストEX」で追いついたということでしょう。

 ADSLでは、30Mbps台のルータのスループットが必要な環境にあるケースは稀なことであり、実効速度だけでなくセキュリティー機能などの使い勝ってで選ぶことも多く、
バッファローの製品は人気がありますが、ADSLの高速化やFTTHの普及により、ごく一部のユーザーですが恵まれた環境にある場合は、IEEE802.11g規格の無線LANでもボトルネックとなる可能性はあり、「フレームバーストEX」機能で高速化する意味があるのです。

 一方同じ
6月23日に、(株)コレガがDVD関連製品を取り扱う長瀬産業(株)と協業し、新たにデジタル家電ネットワーク事業分野への進出を表明しましました。

 長瀬産業はパソコン関連では、
DVD編集のソフトウェア処理では老舗であり、今回の協業では、長瀬産業のイーサネット搭載DVDプレーヤー「TRANSGEAR DVX-500」の販売より開始し、今後はコレガと長瀬産業株式会社TRANSTECHNOLOGYとのダブルブランドでの製品販売を視野に入れた展開を行う予定とのことです。

 長瀬産業のDVX-500aは、テレビに接続して動画・静止画・音楽ファイルをDVDなど記録ディスクで再生可能で、さらにネットワーク経由でパソコンの中のファイルも再生することが出来る便利な製品であり、この「WIFI MediaTheater まるごとSet」は、コレガの無線ブロードバンドルータ「
CG-WLBARGP」とセットとなっています。

 小さなパソコンのモニターではなく、テレビで映像を見れるというメリットをアピールしていますが、パソコンを映像、音声の編集などマルチメディア処理に使うことが多くなってきており、無線LANのネットワークをマルチメディアに活かしていくことが便利という背景はあるのでしょう。

http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/new/2004/021_1.html
http://www.corega.co.jp/product/news/040623.htm
http://www.transtechnology.co.jp/
http://www.transtechnology.co.jp/products/hard/det/dvx-500.html



  6/20版 アッカとイー・アクセスが47Mサービス発表
 
 アッカは6月17日に、現行の「40Mbpsサービス」を「47Mbpsサービス」にパワーアップし、名称を「47Mbpsサービス」に変更すると発表しました。

 このパワーアップは、
NTT収容局のACCA設備と宅内ADSLモデムのファームウェアのバージョンアップにより実現でき、新ファームウェアの提供は8月上旬に予定しているとのことです。

 発表されている「理想的環境下における推定下り最大
ADSLリンク速度」の図を見ると、距離約1.4km以内で効果のあるクアッドスペクトル方式の中でも、特に距離が近い場合に限って高速化することが期待でき、クアッドスペクトルの技術の更なる向上により、ACCAの実験室での試験で、下りADSLリンク速度は47Mbpsを越える結果が出たことにより、現行の40Mbpsから47Mbpsへ向上することを確認したとのことです。

 しかし「40Mbpsサービス」のフィールドデータを見ると、実験室ではなく現実にはリンク速度が40Mbpsどころか35Mbpsを超える事例も極めて稀なことであり、47Mbpsサービスに高速化しても、現実にはリンク速度が40Mbpsを超える事例があるのかどうかというレベルであり、「47Mbpsサービス」に名称を変更する必要がないように思います。

 なお上りリンク速度の高速化については、現在も、TTC(社団法人 情報通信技術委員会)において、その提供方法や対策について議論を継続中であり、特に中長距離のユーザに影響を及ぼす「上り周波数帯域拡張に伴う干渉問題」についての事業者間協議が終了した後、準備が整い次第提供を開始するとコメントしています。

 イー・アクセスも同じ6月17日に、8月を目処に「47Mbpsサービス」の提供を開始することを発表しています。こちらも上りリンク速度の高速化については、TTCで上り拡張方式が承認され次第、最大5Mbpsに増速すると説明しています。

 上り拡張方式については、紛糾の末、TTCのスペクトル管理サブワーキンググループでJJ_100.01スペクトル管理標準第2版を第3版に改定することで合意し、その結論を出す目処であった6月11日の第12回会合でも結論が出ず、いまだにTTCで上り拡張方式が決着していない状況では、両社とも先送りするよりないという状況にあります。

 公正取引委員会では、通信速度のベストエフォートを一般消費者が誤認することが無いように表示するように、指導する必要性があるという見解を示しており、ADSL各社とも注意書きは載せています。

 比較的アッカは情報開示に前向きで評価すべきですが、ADSL各社ともに現実のフィールドでは出ないリンク速度がベストエフォートということで競い合うのもおかしなことであり、今回は両社とも、下りリンク速度がわずかに高速化する可能性があるユーザーもいるというレベルの改良で、サービスの名称と現実のギャップがさらに広がったという面があります。

http://www.acca.ne.jp/release/040617.html
http://www.so-net.ne.jp/corporation/release/2004/040617.html
http://www.eaccess.net/company/press/2004/040617.pdf



  6/13版 アッカのエントリーサービスが上り速度アップ
 
 アッカのエントリープランは、
下り最大速度 1Mbps上り最大速度 512Kbps提供してきたライトユーザー向けのプランですが、このエントリープランの上り最大速度が1Mbps引き上げられ、提携プロバイダのDIONとBIGLOBEでは、新規申し込みはもちろん、既存ユーザーも対象となり、利用料金は据え置きで6月18日から順次変更すると発表しています。

 もともとエントリーサービスは、2003年3月にアッカの提携プロバイダであるTikiTikiインターネットが最初に期間限定で申し込みを受け付けたのが始まりで、すぐにhi-hoとBIGLOBEが追随し他のプロバイダでも扱っています。

 当時は、新規申し込みはADSL12Mサービスが主流の時代であり、エントリーサービスは8M(10M)サービスの設備を使い、その速度制限版のため、
8Mモデムがサポートできる距離、NTT収容局から自宅までの直線距離が4kmまでのユーザーに申し込みを限定していました。

 アッカの説明ページを見ると、今度の「ADSLエントリーサービス(1M&1M)」は、12Mサービスの設備を使用し距離が7kmぐらいまでリンクできるため、4kmまでという申し込みの制限は無くなっています。

 NTT局側の設備の変更だけでなく、ADSLモデムを12Mサービス用に交換しなければならないのに、既存のユーザーも対象とできるのかと不思議に思いましたが、BIGLOBEの発表資料を見ると、下り最大12Mbpsの設備・ADSLモデムを利用してサービスを提供することと、6月18日〜7月8日の予定で収容局舎毎に設定変更するとのことで、おそらく交換するのでしょう。

 また余談ですが、ADSLの頭文字Aは非対称AsymmetricのAで、上りと下りと同じ速度であれば、ADSLではなく単にDSLと表記すべきであり、「ADSLエントリーサービス(1M&1M)」はおかしいのですが、元が下り最大12Mbps、上り最大1Mbpsの規格の12Mサービスの速度制限版ですから、規格上はADSLで、その範疇に含まれるともいえるのでしょう。

 もともとインターネットを利用する上では、下りのダウンロード速度の確保が重要であり、そのため非対称に意味があるのですが、上りを高速化するメリットはそれ程大きくなく、インターネットの利用でもファイルを送信することが多いとか、またIP電話は双方向等分に使うため、上り速度の高速化が全く意味の無いことでもないのでしょう。

 むしろ距離に強い12Mサービスがベースですから、今度の変更により実質的に少し下り速度がアップする可能性があり、自宅からNTT局までの距離が4kmを超える既存ユーザーはいないとしても、距離が少し遠い2kmを超えていれば、少しでも速いに越したことは無いのです。

 
12Mサービスをベースとして、速度制限のかけ方が解らないので、かつて8Mから12Mサービスに乗り換えて平均500Kbpsぐらいアップしたように、ある程度アップするのかどうか解りませんが、距離が遠くても受け付けれるようになるということは、少しは下り速度が速くなる可能性もあるということです。

 アッカとしては、
TOKAIの「スタート3」(先週6/6の記事で紹介)と同じで、新規ライトユーザーの獲得が狙いなのでしょうが、既存ユーザーも対象となりメリットがあるのは良いことです。

http://www.acca.ne.jp/provider/entry/index.html
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2004/0607/index.html
http://www.nec.co.jp/biglobepress/press/2004/040607-4.html



  6/6版 TOKAIからADSLの新プラン登場 
 
 
株式会社TOKAIは、6月1日に同社の運営するインターネット接続サービスTOKAIネットワーククラブ(TNC)において、ADSL接続サービスの新プラン「スタート3」の提供を開始したことを発表しました。

 「スタート3」は、
従来のADSLパワーライン「スタート1」を、下り最大速度を3Mbpsにアップした新プランであり、利用料金はスタート1と同じとのことで、通常の電話共用タイプでIP電話なしで月額合計3,617円、IP電話込みで3,827円です。

 
ADSLパワーラインの速度プランは、この「スタート3」のほか下り最大速度を40Mbpsの「プレミアム40」、下り最大速度を12Mbpsの「スーパー12」とあり、「スタート3」はライトユーザー向けのエントリープランということでしょう。

 最近は、映像のストリーム再生などのコンテンツの提供が少しづつ増えてきて、ライトユーザー向けのプランであっても、
下り最大速度を3Mbpsにアップすることのメリットは大きいと思えます。

 TNCは提供エリアが静岡県内に限られる地域のインターネット接続サービス業者ですが、同じTOKAIグループのTcomは、もともとの関東エリアに加えて、昨年11月にイー・アクセスと提携し、その回線を使用したTcomADSL「eコース」はサービスエリアを全国に拡大しています。

 こうしたTNCと関係のある業者にもライトユーザー向けのプランがあり、是非波及してほしいものですが、利用料金的には、TNCの場合はむしろ「スタート1」が他の業者と比べて割高であり据え置いたのでしょうが、各社のエントリープランのお得度は一様ではなく、それぞれの企業のライトユーザーの獲得を重視するかどうかの経営戦略の問題でしょう。

 もともと下り最大速度を1Mbpsのエントリープランは、より高速なサービスの速度制限版であるケースがあり、利用料金は据え置いて少し高速化を図ることは無理がないように思いますが、一方既に旧設備を利用したサービスとなった1.5Mbpsサービスや8Mサービスを割引くという方法もあって、新規獲得だけではなく既存のユーザーのコース変更への対応も含めて、ライトユーザーのニーズに応えていく時期でもあると思います

http://www.tnc.ne.jp/adsl/news/2004/0601.html



  5/30版 ソフトバンクが日本テレコムを買収
 
 5月27日に、ソフトバンク株式会社と日本テレコム株式会社の両社から、日本テレコムの
全株式、約1億4400万株をソフトバンクが取得することが発表されました。

 日本テレコムは、ソフトバンクの100%子会社となっても従来の事業を継続し、
買収後は、ソフトバンクの下に日本テレコムが主に企業向け、Yahoo!BBを運営するソフトバンクBBが個人向けと補完しあって、総合的な通信サービスを提供する、「ブロードバンド No.1カンパニー」を目指すとのことです。

 時代を先駆けて、1980年代後半から専用線通信サービスや市外電話サービスを手がけてきた日本テレコムは、1997年に個人向けインターネット接続サービス「ODN」を、
2001年2にADSL接続サービス「J-DSL」を開始し、データ通信分野に事業拡大してきましたが、音声通信(固定電話)は、携帯電話の急速な普及の影響を受け、こうした固定通信事業は苦境に立つという状況でした。

 そのため2002年8月に大幅なグループ会社の再編を行い、持ち株会社
「日本テレコムホールディングズ」と改称し、新たに固定通信事業を分社化し「日本テレコム株式会社」を新設し、グループとしては好調な携帯電話子会社J -フォン株式会社を柱として据えなおしています。

 その後、2003年10月にJ -フォンは「ボーダフォン株式会社」に、2003年12月に日本テレコムホールディングズは「ボーダフォンホールディングス株式会社」に社名変更し、この5月25日にボーダフォン株式会社とボーダフォンホールディングス株式会社の合併が発表されています。

 一方分社化した日本テレコムは、2001年8月から資本関係のあったイー・アクセスに、
J-DSL事業を2002年6月末に営業譲渡し、2003年11月(発表は8月)に、日本テレコムホールディングズの日本テレコムの株式をリップルウッド・ホールディングスが取得し、リップルウッド傘下の固定通信事業者となっていました。

 そして今回、リップルウッドなど計6社の
日本テレコムの全株式を本年11月末にソフトバンクが取得し、Yahoo!BB会員419万回線に合わせて、個人・法人含めて1000万回線規模の回線を擁する事業者グループになります。

 ソフトバンクの説明では、
法人向けのデータサービス分野の大幅な強化が実現できること、日本テレコムの約12,000kmに及ぶ光ネットワークインフラをソフトバンク・グループ独自のIPネットワークと統合することでネットワークの強化や効率化を図ることができるメリットを謳っています。

 
ADSL事業については、既に2年前にJ-DSLは、イー・アクセスに営業譲渡されたのですが、Yahoo!BBもその半年ぐらい前に東京メタリックなどメタリック系の事業者を傘下に加えており、高速サービスに移行する中での競争環境にあったのです。

 日本テレコムの「ODN」はプロバイダ業務であり、イー・アクセスやフレッツADSL、Bフレッツなどの回線を利用したブロードバンドを既に利用しているユーザーも会員であるとともに、古くからのダイアルアップ接続ユーザーもまだ多いようです。

 先々は、ダイアルアップユーザーに
はYahoo!BBを勧めていくのでしょうが、日本テレコムも吸収合併ではなく100%子会社として存続し、既存ユーザーは引き続きこれまで同様にサービスの利用が可能とのことであり、個人向けサービスの統合は、ソフトランディングを目指すのでしょう。

 むしろ、ユーザーや他の通信事業者との契約関係に関わらないバックボーン回線の統合による基盤整備の検討が先行するようです。

http://www.japan-telecom.co.jp/newsrelease/2004/may/nr040527/nr_fs.html
http://www.japan-telecom.co.jp/revolution/index.html
http://www.softbank.co.jp/



  5/23版 イー・アクセスがプロバイダ事業に参入
 
 5月17日にイー・アクセスは、AOLジャパンからインターネットサービスプロバイダ事業の営業を譲り受ける契約が成立したことを発表しました。

 これまでイー・アクセスは、インターネットサービスプロバイダ業務は直接行ってなく、提携プロバイダを通してADSL接続サービスを提供しており、AOLはイー・アクセスの回線を利用したADSLサービスを提供してきた提携プロバイダの一社でもあったのです。

 AOLジャパンは、米AmericaOnlineの日本法人で、ダイアルアップ接続サービスの時代からプロバイダ事業を行っている大手プロバイダであり、アクセスポイントが混雑して夜間は接続できないことがありプロバイダ選びが重要であったダイアルアップ時代には、比較的人気のあるブランドでもあった老舗です。

 
AOLジャパンの発表資料を見ると、プロバイダ事業の営業譲渡後も、AOLのブランドは継続され、AOLジャパンが日本で提供しているサービスは従来どおり継続提供され、米AOLからの技術やコンテンツ、ホスティングなどでの協力・提供も従来どおり維持されるとのことで、AOLに加入の既存のユーザーには直接影響がないように読めます。

 またイー・アクセスにとっても、現在もダイアルアップユーザーであるAOLの会員にADSLサービスを勧めることができますが、しかし一方、既にBフレッツのユーザーや同じADSLでもフレッツADSLを利用しているユーザーも
AOL会員には含まれており、基本的にはプロバイダ事業を全て譲り受けるということであるため、これからはNTTの回線を使用したプロバイダにもなるのです。

 フレッツADSLの提供エリアの方が、イー・アクセスの提供エリアよりもはるかに広く、イー・アクセスの提供エリア外では乗り換えようもなく、ましてやBフレッツからADSLに変わることは考えられず、
AOLのブランドは継続されるという説明は、かなり長期的にイー・アクセスの回線ではないユーザーにもプロバイダ事業はプロバイダ事業としておそらく続けるということなのでしょう。

 既存のAOLのイー・アクセスの回線を利用する「スタンダードADSLプラン」の料金設定をみると、モデムレンタル料とNTT回線使用料を含めた通常月額料金は
40Mプランで税込み4,201円と、同じイー・アクセスの回線を利用する他のプロバイダと比べて平均よりやや高いという水準です。

 この料金では、ダイアルアップユーザーであるAOLの会員にADSLサービスを勧めるのは難しいと思われますが、AOLブランドでADSLサービスを拡充するとしても、他の提携プロバイダとの関係においては、卸売業者が直接小売するようなものであり、利用料金を見直すとしても、配慮が必要となるでしょう。

 今後AOLの利用料金は、いわばメーカー希望小売価格、つまり標準的な料金設定と見られてしまうため、おそらく少しぐらい安い程度に抑えることで、思い切った事業戦略による価格競争は難しいのでしょう。

 営業譲受期日は6月30日であり、これからプロバイダ事業としての事業計画や既存AOL会員への具体的な対応が発表されると思いますが、もともと営業を譲り受けた狙いからみれば、AOL会員限定で乗り換えの特典を考えるとか利用料金を見直す必要があるのかもしれません。

 イー・アクセスは、ADSLプラスQの評判も良く業績も好調ですが、それも採算を取り易い都市部を中心に事業展開をしていれば難しいことではなく、採算面で厳しくても地方まで全国展開していくことが通信事業者としての社会的責務であるとするならば、NTTやYahoo!BBの事業展開とは大きな開きがあり、まだ平成電電の方が好感が持てます。

 東京都内しか接続できないとするならば、それは通信事業ではなく、イー・アクセスも昨秋のT-comとの事業提携、今度のAOLのプロバイダ事業の営業譲受と続いて、事業規模の拡大を目指していても提供エリアはまだ都市部に偏っているように思います。

 全国には、ADSLを使いたくても、まだどこも提供エリアではなくて心待ちしているユーザーがあり、全国くまなく利用できてこそ通信事業としての公益性が果たせるという意気込みを持って欲しいと願うものです。

http://www.eaccess.net/company/press/2004/040517-5.pdf
http://www.jp.aol.com/info/release/20040517.html



  5/16版 Yahoo!BBの新キャンペーン
 
 5月11日から、Yahoo!BBの新キャンペーン「トリプル0円キャンペーン」が始まりました。
 「トリプル0円キャンペーン」は、初期費用無料、最大2ヵ月間月額利用料無料、出張設置サポート無料となる特典であり、5月10日まで実施していた「3つの完全無料&春のプレゼントキャンペーン」とほぼ同じ内容です。

 またプレゼントの内容は異なるものの抽選で400名にプレゼントが当たること、「光収容でもあきらめないぞ! キャンペーン」との併用が可能なことも引き続いています。

 さらに今回のトリプル0円キャンペーンでは、BBフォンのオプションサービスである「BBフォンケータイ割30」と「BBフォン番号表示サービス」を申し込む場合は、最大2ヵ月間無料の特典があり、「セリエAプレミアム」など5つの有料コンテンツを8月31日までの期間は無料で見ることができる「スペシャルコンテンツ見ほーだい特典」が適用されます。

 ADSLやFTTHなど高速な通信回線が普及し、動画のストリーム再生が可能となり、こうしたブロードバンド向けのコンテンツの提供サービスが徐々に増えつつありますが、Yahoo!Japanも映画、テレビ、動画などのコンテンツに力を入れており、うちYahoo動画はYahoo!BB会員向けに無料で提供しています。

 動画のストリーム再生は、パソコンのスペックや回線速度が一定レベル以上でないときれいに再生できないことがあり、Yahoo!BB会員でまだYahoo動画を見てないのであれば、会員IDでアクセスして試されることをお勧めします。

 ブロードバンドのコンテンツの普及・促進については、主としてインターネットサービスプロバイダを運営する電機・通信メーカー系の企業を中心に、5月12日に「BBジャパン」が設立されました。このBBジャパンは、光通信FTTHの通信速度をベースとして、コンテンツ、プラットフォーム、インフラの普及を促進するとのことです。

 FTTHであっても、一戸建てのシェア設備方式での利用やマンションなど集合住宅での導入では、下り通信速度が100Mbpsは無理なことで、高速ADSL回線で環境に恵まれ通信速度20Mbps以上であれば、下り通信速度は実用的に似たようなものでしょう。

 つまり、ADSLでも距離が遠くて5Mbpsに届かなければ苦しいのでしょうが、FTTHの通信速度をベースといっても、ホームユーザーもターゲットとするなら10Mbps以上の通信速度が必須であるコンテンツは利用できるユーザーが限られすぎるのでしょう。

 職場でもFTTHであっても何台もネットに接続すれば、自宅でADSL回線で接続するより、はるかに遅くてイライラするということは多くのユーザーが既に経験していることです。

 むしろ電話回線の老朽化に伴う整備により光収容エリアを拡げざるを得ないこと、ADSLが距離に弱いこと、その必要があるかどうかは別としてADSLの上り帯域の大幅な拡張が難しいことなど、ADSLサービスの仕組み上の限界がネックとなるかどうかです。

 Yahoo!BBもFTTHへの参入を検討しているようで、将来はFTTHの時代が来るのでしょうが、ラストワンマイルの実用的に必要な速度水準としては、56KモデムやISDNからADSLなどブロードバンドに移行してきたように、これからは急に敷居を高くすることは難しいのでしょう。

http://bb.softbankbb.co.jp/service/campaign/
http://streaming.yahoo.co.jp/
http://www.bb-japan.jp/



  5/9版 Blasterタイプのウィルス「Sasser」発生
 
 マイクロソフトは5月1日に
Sasserワームについてのお知らせ」を発表しましたが、このSasserワームは既に4月14日にセキュリティー情報MS04-011として発表しているセキュリティーの脆弱性を悪用するもので、最も危険度の高い緊急レベルの問題であり、その対策をすることを強く勧めています。

 このSasserは、昨夏に発生したBlasterと同様、ネットに接続しているだけでウィルスに感染するおそれのある最も危険度の高いウィルスで、外部から攻撃を受け感染すると、Windowsの異常終了、外部からファイルの読み取り、削除などの被害を受けることが想定されるようです。

 WindowsXPとWindows2000は、修正プログラムの適用が必要ですが、WindowsUpdateから修正プログラムをインストールすることができ、普段からWindowsUpdateを利用しているのであれば既に修正されている可能性があります。

 もし心配であれば、WindowsXPの場合は「スタート」→「コントロールパネル」→「プログラムの追加と削除」と順にクリックし、現在インストールされているプログラムの中に、この修正プログラム「WindowsXP ホットフィックス-KB835732」が含まれているかどうか確認してみてください。

 また、「スタート」→「コントロールパネル」→左側欄の関連項目「WindowsUpdate」を順にクリックして、WindowsUpdateの画面左側の「インストールの履歴の表示」をクリックし、「WindowsXP用セキュリティー問題の修正プログラム(KB835732)」が含まれており、状態欄が「成功」となっていれば修正済みです。
 もちろんKB835732が含まれていなければ、すぐに修正プログラムを適用する必要があります。

 なお、Windos98とMeでは、深刻度は緊急ではないとのことでマイクロソフトから修正プログラムが提供されていません。

 幸い今回は、
BLASTERウイルスが流行したときより修正プログラムの提供が早く、おそらく既に感染していることはないのでしょうが、警察庁も5月2日に発生情報を入手したと発表しており、ADSLなど常時接続環境で、いつまでも修正プログラムが適用されてないままであれば極めて危険であり、すぐに修正プログラムをインストールしてください。

 BLASTERウイルスについては、「ADSL関係の最近の情報」の「2003年8/17版 常時接続でのBLASTERウィルスの対策」を参照してください。

http://www.microsoft.com/japan/security/incident/sasser.mspx
http://www.microsoft.com/japan/security/incident/pctdisable.mspx
http://www.microsoft.com/japan/security/security_bulletins/MS04-011e.asp
http://www.microsoft.com/japan/technet/treeview/default.asp?url=/japan/technet/security/bulletin/ms04-011.asp
http://www.cyberpolice.go.jp/important/2004/20040503_094530.html



  5/2版 ブロードバンドの公取委の調査結果と総務省の評価案
 
 公正取引委員会は、4月27日に、「ブロードバンドサービス等の競争実態に関する調査」を取りまとめ、その調査報告書を発表しました。

 この報告書によると、平成16年1月末の時点で、インターネット利用者3312万人のうち、ブロードバンド利用者は1408万人と約4割を占め、うちADSL利用者は1061万人、ADSL業者のシェアは、Yahoo!BBとNTT東西がそれぞれ約36%を占め、現段階では競争が活発に行われているが、寡占化の傾向にあると考えられ、引き続き監視が必要としています。

 競争政策という観点では、むしろFTTHの方が問題であり、利用者が96万人とまだ市場規模が小さいもののNTT東西のシェアが73%と圧倒的であり、NTT東西による利用者の事実上の囲い込みが生じる可能性があるため、NTT東西の光ファイバ設備の開放義務は、見直す必要が認められないとしています。

 また戸建て住宅向けFTTHは料金水準が高く、このことはNTT東西の光ファイバを利用した事業者の参入には、必要なコストが高いことやダークファイバやコロケーションの懸念から、新規参入がみられないことも一因と考えられるとしています。

 いずれも利用者側は、他のブロードバンドサービスや事業者に乗り換えにくく、事業者の移動は考えていないユーザーが多いという背景があり、特にFTTHはADSL以上に一度利用者を獲得すると長期に契約を維持することできる傾向が強いと考えられることから、将来のコンテンツの充実により、将来はFTTHが優位との方向性のもとで、公取委の競争政策上の考え方も厳しくみることになるのでしょう。

 ADSLはNTT局舎からの距離で速度の限界があること、FTTHやCATVは提供エリアが一部の都市エリアと限定的であることから、ブロードバンド未提供エリアや限られた種類のブロードバンドしか利用できない地域があり、そうした地域ではブロードバンド間の競争が十分存在していないとしています。しかし、ブロードバンドが利用できればという前提でしょうが、料金は全国一律料金のため一社しか提供してないところも料金的には全国的な競争の波及効果はあるとしています。

 なおIP電話については、固定電話との間で代替性が強いとしており、今後固定電話との競争条件を含めて実態の把握に努めつつ、政策提言を行っていく必要があるとしています。

 また、利用者のアンケート調査結果などは、概要版ではなく本編で詳しく説明しており、さらに本編では「第6ブロードバンドに関する競争政策上の考え方」や「第7公正取引委員会の今後の対応」について見解が示されています。

 「第6ブロードバンドに関する競争政策上の考え方」の中でも、FTTHについては、光ファイバ設備業者から設備を借用してサービスを提供する事業形態による参入も含め多様な新規参入を促すことが重要であるという認識で詳しく説明されており、さらにブロードバンド全体としては通信速度のベストエフォートを一般消費者が誤認することが無いように表示するように指導する必要性があることにも触れています。

 「第7公正取引委員会の今後の対応」では、高いシェアを有する事業者が新規参入を阻害する行為や競争事業者を排除し、または事業活動を困難にする行為が行われる可能性があることから、必要な監視と厳正かつ迅速に対処していくと結んでいます。

 一方総務省も、4月27日に、
「平成15年度電気通信事業分野における競争状況の評価(案)」を取りまとめ、意見募集をしています。

 この総務省の競争状況の評価
(案)では、市場支配力の行使が抑止され競争が有効に機能している状態にするために、必要があれば競争促進策を講ずるという前提で、かつてはNTTの独占市場であり、現在も高度に寡占的な市場である電気通信サービス事業において、最終利用者向けサービスの競争状況を評価の対象にしています。

 通信事業法で、NTT東西に開放を義務付けている不可欠な設備(加入者交換機、加入者回線、中継交換機、中継交換機と加入者交換機の中継回線)つまりインフラの開放が義務となっていますが、このインフラとサービスの側面が持つ問題が競争政策に関わっていることが説明されています。

 ADSL市場の分析では、都道府県別の普及率やコロケーション情報など詳しい資料が開示されていますが、地方では提供エリアが都市部以外には広がっていきにくいため、九州、四国、東北など普及率が徐々に上がっていてもまだ低いという状況です。

 こうした現状分析はデータが整理されていても、肝心の事業者の市場集中度のシェアの分析や競争者の能力と意欲についての分析は、単に現状と結果の当たり前の説明であり、光収容エリアで残置メタル回線が使えないケースが3.9%と以外に多いということが印象に残ったぐらいです。

 どうもコスト重視では中々普及が進まない地方でのブロードバンド難民をどうするのかとか、残置メタルがなくてFTTHも着てないところがあるのかどうか、またその対策はどうするのかという政策的なこととは無縁のようで、電気通信事業の所管省庁の資料だからと期待を持って見る資料ではないようです。幸いYahoo!BBとNTT東西は競って地方へも進出しているので、結果として寡占も進むということに過ぎないのです。

 もちろん絶対に将来もないということではないにしても、両社が協調的行動で市場を支配する可能性と言われても、現実の価格競争とかTTCでの新技術の導入をめぐる紛争とかの状況からは少し違った表現で書くべきでしょうし、NTTのブランド力といわれても、今でもNTTを信頼するユーザーがあってもそれが問題となるのは何年前のことと疑問に思えるのです。

 結論は、公正取引委員会と同じで、ADSL市場は上位事業者への集中が顕著で高度に寡占的であるが、Yahoo!BBとNTT東西が拮抗しており、市場支配力を行使できる状況ではないという程度のことです。

 次に、FTTH市場の分析については、マンション向けと、戸建住宅向けとは競争環境が違うことから分けて見ることになるのですが、マンションでは各戸が自由に業者を選べないことから最終利用者向けサービスの競争状況という評価にはそぐわないのかもしれません。

 戸建住宅向けは、関西電力系のケイ・オプティコムが戸建住宅向けに光ファイバを積極的に引き込んでいることに対抗して、NTT西も光ファイバ投資に積極的であり、ケイ・オプティコムとの競合エリア外でもNTT西は積極的であり、FTTHは西高東低であったが、NTT東や東京電力も積極姿勢に転じており、急速に普及が進んでいるとしています。もちろんNTT東西と電力系会社以外は、インフラ整備に参入してなく、当然寡占状態です。

 そして光ファイバのインフラ整備に多数の業者が新たに参入することは考えにくくNTTへの集中はさらに進む可能性があるとしながらも、大都市部に限られ、まだNTT東西の支配力が働く市場であると判断すべきではないとして、評価は時期尚早で今後の動向を注視していくという結論です。

 第四章の政策への反映は、事後規制による円滑化、代替サービスの捉え方、合併の影響、IPベースの競争ルール、事業者からの情報の提出義務などが説明されていますが、課題ばかり書かれていて答えが無いという印象を受けます。

 また、文章の表現が、最近の報道や調査報告書などで使われている文章と違い、言葉に違和感を感じ読みづらいのですが、どこか良く実態を知らない外部に委託してまとめた第三者的な資料ではとも思えるほどです。

 総務省の評価の方が詳しいのですが、解り易く説得力があるのは公正取引委員会の調査の方でしょう。もちろん投資コストが見合わなくて1社しか事業展開しないという分野で、それが独占だという批判はどうかと思いますが、総務省の説明のように、FTTHがこれから急速に普及が進み重要な社会基盤であるとしたら問題であり、総務省も公正取引委員会も関心を持ち続けるのは当然のことでしょう。

http://www2.jftc.go.jp/pressrelease/04.april/040427.pdf
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040427_2.html
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040427_2_1.html



  4/25版 Googleの検索の仕様変更で文字化けが発生
 
 検索サービスの最大手であるGoogle(グーグル)の仕様変更で、特定のWebサイトの検索ボックス
や検索を便利にするユーティリティソフトを使用して、Googleの検索サービスにアクセスすると、結果表示の際に文字化けが起きるというトラブルが発生しています。

 私自身も昨夜、isproというユーティリティソフトを使用して、例えば「adsl」と半角英数で入力すると検索できるのに、「パソコン」と入力すると、Googleの検索窓に「?p?\?R??」と表示されて検索できなく、一旦GoogleのWebサイトを表示させて、その検索窓でタイプすると検索可能なのにおかしいと思っていたところです。

 これは、Googleの検索で使用する文字コードが、Shift-JISでエンコードしていたものが、UTF-8に変更されたことが原因であり、Googleに送信するキーワードの文字コードをUTF-8に指定することで文字化けを回避できるとのことです。

 確かに、下記URLのGoogleのサイトを表示させて、エンコードをShift-JISに変更、IEの場合は、メニューバーの「表示」→「エンコード」→「日本語(シフトJIS)」とクリックすると、Googleのサイト自体が文字化けします。その状態で検索窓に「パソコン」と入力すると同じ文字化けの症状となり、文字コードを「Unicode(UTF-8)」に戻すと治ります

 対策といっても、ユーティリティソフトを使用して文字化けとなる場合は、そのソフトが修正されるのを待つよりないため、IEの場合は取り敢えずGoogleのサイトをお気に入りに登録し、IEでGoogleのサイトを一旦表示させ、直接Googleの検索窓を使うようにするしかないでしょう。

 Googleは、情報量も多くとても使い易い検索サービスであり、ユーザーが自分なりにすぐに使えるようにしておくと便利でしょう。

http://www.forest.impress.co.jp/article/2004/04/22/google_cset.html
http://www.google.co.jp/



  4/18版 JEITA無線LANのセキュリティーガイドラインを改定
 
 JEITA(社団法人電子情報産業技術協会)は、4月12日に、「無線LANセキュリティ」に関するガイドライン改訂版の発行を発表しました。

 この改訂版では、無線LAN関連メーカーに対して、
用語の統一へ向けたガイドを示したこと 、簡単・確実にセキュリティ設定が行えるようメーカとしての対応を明記したとのことで、プロバイダ及び販売店等の関連業界団体にも協力を要請する予定とのことです。

 
無線LANは便利であってもセキュリティー機能の設定を適切に行わないと通信の内容を盗み見られたり、自分のパソコンに他人が侵入したりすることがあり、企業・家庭に急速に無線LANが普及している状況のもとで、ますます無線通信時におけるセキュリティーの確保が重要となっています。

 しかしユーザーにとっては、専門用語が難しくセキュリティーの設定は容易ではないため、無線LAN機器を購入し初期設定のまま使っていることが普通であり、メーカー側も簡単に接続できることを重視して、出荷時初期設定ではセキュリティー機能を標準では無効にしていることが多いという背景が問題とのことです。

 このガイドラインは、容易な無線LANセキュリティーの設定に関して、無線LAN機器メーカーやパソコンメーカーおよび無線LAN関連事業者が遵守すべき指針をとりまとめたものであり、今後このガイドラインに沿った無線LANアクセスポイントでは、初期セットアップのときにセキュリティ機能設定画面を必ず通過し、暗号化機能設定が強く推奨されるようになります。

 暗号化機能の設定を促す、暗号化機能が無効の設定は警告する、暗号化機能ユーザが意図してオフにしない限りはオンの状態となることで、詳しい知識がなく知らぬ間に暗号化機能が無効の状態で通信可能とならないように注意、警告がされるということです

 また無線LANカードなど端末側は、
暗号化機能が有効になっていない無線LANアクセスポイントと接続する場合、盗聴の危険を知らせ注意を促すため、ユーザーに対して警告を行う機能を付加するよう推奨しています。

 さらに機器のマニュアル等で使用する専門用語が、メーカー毎に違っていてはユーザーが混乱するため、用語に関するガイドラインが示されています。

 この用語に関するガイドラインと付-4の用語解説は、無線LANのセキュリティーに関する用語ついて非常に解り易く説明がしてあり、無線LAN機器を使用していたり、これから購入したいということであれば、是非一読されることをお勧めします。

http://it.jeita.or.jp/perinfo/release/040412.html
http://it.jeita.or.jp/perinfo/committee/pc/wirelessLAN2/index.html
http://it.jeita.or.jp/perinfo/committee/pc/wirelessLAN2/4-3.html



  4/11版 電光石火のサービス提供エリアの急拡大
 
 ADSL接続サービスである電光石火の全国展開を目差している平成電電は、4月5日に新たに114局で電光石火がサービスインしたことを発表しました。

 最近では、2月27日に27局、3月17日に102局を開局しており、今回の開局と合わせて、全国で934局となり、Yahoo!BB、NTT東西、アッカ、イー・アクセスの4大回線業者に一気に迫る勢いで提供エリアを拡げています。

 平成電電は、下り最大12Mbpsの通信速度の12Mサービスの始まった2002年秋に、電光石火でADSL接続サービスに参入し、以降ADSL各社がダブルスペクトル方式やクワッドスペクトル方式の採用による高速サービスの提供を始めても追随せず、
AnnexC.X方式12Mサービスのまま積極的にエリア拡大を続けています。

 もともと12Mサービスは、8Mサービスより距離に強いことをアピールして登場しており、その後の高速サービスと比べても、NTT局から自宅までの距離が2km以上離れれば、速度はそんなに変わらないものです。

 またADSLでは、
距離が近くても速度が思ったほど出ないとか、接続が安定しないとかトラブルが多く、中々ユーザーの期待どおりにはならないものですが、12Mサービスは比較的ユーザーの不満が少なく、ADSLサービスの質としては優れています。

 電光石火のADSL利用料は、年額払いであってもモデムレンタル料込みで年額21000円(税込み)と低く抑えられており、月額換算すればADSL各社のエントリープランである1Mサービスや1.5Mサービスより安いぐらいであり、利用料の負担が少ないのです。

 新しい高速サービスを導入するためには、NTT局に新しい設備を設置するためのコストがかかります。もちろん、既存の提供エリア内にも新規の設備投資が必要となります。そのコスト負担が大きいため、不満の少ない12Mサービスで低価格戦略により提供エリアを広げていくことは、理にかなったことでもあるのです。

 ADSLを導入したいけれども、それ程インターネットを利用する余裕も無いので、利用料金が安い方が良いということであれば、電光石火の提供エリアかどうか確認してみると良いでしょう。

http://www.denkosekka.ne.jp/kaikyoku/index.html



  4/4版 JANISネットがADSLリーチUコースを新設
 
 長野県協同電算が運営するJANISネットのADSLコースに、新たに「リーチU」というコースが新設されました。

 この「リーチU」は、下り速度が最大1.3Mbps、上り速度も最大1.3Mbpsということのほかには詳しい情報がアナウンスされてないのですが、おそらくパラダイン社のリーチDSL(上下ともに最大960Kbps)のパワーアップ版を採用しているものと思われます。

 パラダイン社のリーチDSLは、大手ではYahoo!BBが採用し、遠距離ではリーチDSLしかリンクしないこともあるなど、NTT局から自宅までの距離が5km以上と特に遠い場合には最強かつ最後の手段として選ばれる方式ですが、そのパワーアップ版であるReachDSL V2.2やReachDSL V2.0は、既に昨年TTC(社団法人情報通信技術委員会)でスペクトルの適合性の確認を終えています。

 そしてADSL接続サービス業者が何時でもパワーアップ版のリーチDSLを導入できるのに、サービスの提供が遅れているのは、早くサービスの提供をしてほしいと願う遠距離ユーザーがいても、やはり採算が取れるだけの利用者数の確保の見込みが立たなければ、接続業者側としては中々導入に踏み切れないという面があってのことでしょう。

 長野県では、山間部でNTT局から遠いユーザーの割合が多く、ある程度のニーズは確保できる可能性が他地域より高いのではと思いますが、大手のADSL接続サービス業者が採用していない中で、リーチUコースを新設するJANISネットの英断は評価されるべきでしょう。

 TTCで長延化方式が議題になっても、具体的にどう配慮するのか審議は進展せず、さらに現実には、スペクトルの適合性の確認を終えた方式でも中々導入されない状況では、距離が遠くてリンク速度がISDN並と遅いケースや、リンクしなくて常時接続をあきらめざるを得ないユーザーに希望が持てる朗報は滅多にないのです。

 TTCでは、
6月10日のスペクトル管理サブワーキンググループの会合を目処にJJ100.01スペクトル管理基準を第3版に改定し、上り帯域の拡張方式を検討することになっていますが、これも他回線への干渉が問題であるため線路距離長による制限を受ける可能性があり、むしろ距離によるADSLサービスの速度格差は大きくなる一方です。

 距離が5km以遠とまともに利用できないエリア、距離が3.5km〜5kmと満足できるサービスを受けれないエリアでの速度や安定性など質的な向上をめざし、ベストエフォートといっても利用料金が同じであり、方向としては遠距離を切り捨てるのではなく、少しでも格差の縮小に向けて改善されるべきでしょう。

 なお先の3月26日のTTCの会合で、NTT東日本が、
ISDN回線とADSL回線が同一カッドに収容されているケースが線路長2.7km以上でも多数あるとのデータを示したとのことです。

 ADSLが後から利用されて結果としてやむを得ないことが多いのでしょうが、全国に990万回線あるとされるISDN回線は極めて大きな干渉源であり、距離が遠ければISDN干渉のためにリンクしないおそれがあり、リンク速度が遅くてISDNの干渉が大きいのではと疑問に思っても、ユーザーに対する情報開示が速やかに行われてなくユーザーは泣き寝入りしているのが現状なのです。

 アッカに対する反論であって、ADSLを利用している回線の同一カッドに後からISDN回線を引くことはないとしても、当事者であるユーザーへは回線調査を強く申し出なければ教えていないことを平気で言えることでもないように思います。ADSLを利用していて急に遅くなって、原因は後からISDN回線を引かれたのではと疑っているユーザーもあり、現場では避けることになっていることでも起こるのかと不信を持たれていることでもあるのです。

 アッカは、本気で
線路長2.7km以上ではISDNADSLとが同一カッド収容は無く、線路長2.7km以上ではISDNが干渉源とならないと思っていたのでしょうか。アッカはNTT東日本にさらに詳しい情報の提供を求めていますが、ADSLの通信速度に大きな影響を与えることであり、むしろ業者間ではなく申し込みの時点でユーザーに情報開示すべきでしょう。

 伝送損失が高いので速度は期待できないとほのめかされることがあっても、ISDN干渉は自回線の伝送損失では解らないことです。回線収容替えのコストが高いためトラブルを避けてきたのでしょうが、むしろ回線収容替え料金を全て負担させられることが当事者にとっては納得しにくい問題なのです。

 昔は通話に支障が無ければ問題が無い一般電話回線を、ADSLが使い始めたからやむを得ないという思いがあったのですが、既にADSLは成熟期を迎えているのです。

http://www.janis.or.jp/adsl/release20040401.html
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/040304/SMS-08-13.pdf


   
 
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