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<2003年7月-9月掲載分-今週のトピックス->
 
<ADSL関係の話題>

  9/28版 フレッツADSLの無料キャンペーン拡充
 
 NTT東西のフレッツADSLの現キャンペーンは、9月末まで対象期間でしたが、NTT東日本、西日本ともに10月1日から新キャンペーンに切り替えて実施することを発表しています。

 NTT東日本は、フレッツADSLモアUの最大3ヵ月無料キャンペーンをフレッツADSL モア、8Mタイプ、1.5Mタイプと全タイプに対象を拡大して、12月末までの申込受付期間となります。

 NTT西日本は、電話回線と共用するタイプに限りますが、
フレッツADSL モア24、モア、8Mプランを対象として、12月末までの新規申込みは3ヶ月間無料、また既存ユーザーのモア24への変更は最大2ヶ月間無料となり、乗り換えにも便宜を図っています。

 細かく比べると、新規申込みの場合は、ADSL専用回線タイプも1.5Mタイプも対象となるNTT東日本の方が対象範囲が広く、新規ユーザーの獲得に熱心と攻めの姿勢であり、一方モア24への変更を対象とするNTT西日本は既存ユーザーを逃さないという守りの姿勢の違いがありそうです。

 どちらかというとNTT西日本の方が工夫しているように思いますが、いずれにしても、モアUとモア24の評判があまり良くないのが誤算であり、ライバルとの対抗上比較的長期間キャンペーンを続けることにしたのではないかとも思えるのです。

 
ADSL 新規加入者の増加ペースもピークを過ぎ落ち着きつつあり、そろそろキャンペーン合戦も落ち着いていくのではと想定される情勢であり、現にNTT東日本はモアUのみのキャンペーンに縮小していたのに全タイプに戻していることは、ちぐはぐとした感がありますが、この年内の無料キャンペーンの実施は、他のADSL接続サービス業者やプロバイダのキャンペーンにも影響を与える可能性が高いのでしょう。

http://www.ntt-east.co.jp/release/0309/030924c.html
http://www.ntt-west.co.jp/news/0309/030924c.html



  9/21版 衛星インターネットサービスの事業化検討 
 
 
日本電気とNEC東芝スペースシステムは、株式会社超高速衛星インターネットサービス企画を設立し、衛星インターネットサービスの事業化の検討を始めました。

 ADSLやFTTHといったブロードバンド環境は、都市部では急速に整備されつつありますが、地方では主に事業としての採算性がネックとなり、取り残されてしまうという心配が強くなっています。

 ADSLとFTTHを比べれば、まだADSLの方が、既設の電話回線を使用できるために投資負担が少なくて済むのですが、しかしADSLは距離が遠いと信号が届かず利用できないことがあり、人口密度が低くて隣の集落が離れている山間地域などではカバーできないという技術的な問題があります。

 そのためブロードバンド環境が未整備の地域は数年後も残り、衛星を使うことにより一気に日本全国をカバーし、ビジネスとして成立できると考えて、事業化の検討を進めるようです。

 NEC東芝スペースシステム株式会社は、国の研究開発衛星である超高速インターネット衛星WINDSの宇宙開発事業団の開発に参加しており、
2005年度末の打上げを目指して開発が進められています。

 このWINDSの技術成果を活用し、商業衛星を打ち上げて、ADSLと同等の低価格なサービス料金で、光ファイバーなみの高速/大容量でのインターネットサービスを提供することができるとのシナリオです。

 今では衛星通信は、現実にカーナビやスカパーで馴染みでもあり、この
衛星インターネットサービスも現実味が十分ある計画のように思えます。カーナビでは受信レベルは天候次第であり、スカパーでも台風など大雨のときは受信不可となることがあるため、技術的にはクリアすべき問題が多いのでしょう。

 かつて、NHKがテレビを2台並べて、相撲放送の中継を、衛星経由と一般放送と同時に写すデモンストレーションをしており、もちろん1秒と違わないのですが、衛星経由は、ほんのわずかに遅れて転ぶのがはっきりと解り、その印象が強いのです。

 衛星経由での遅延は
インターネットでも発生し、オンラインゲームなどでは少し問題となりそうであり、既にFTTHが利用できるエリアやADSLで実用的に十分な速度が確保されているユーザーが衛星インターネットサービスに切り替えるという需要はあてにできないのかも知れません。

 
超高速衛星インターネットサービス企画は企画会社であり、サービス開始に至るロードマップの作成、事業計画策定、事業性評価などが業務であり、まだこれから事業化に向けた検討ということですが、ブロードバンドは無縁ではという過疎地域では、利用できる可能性として期待されることなのでしょう。

http://www.ntspace.jp/new/news13/index.html



  9/14版 WindowsXP(SP1未適用)修正プログラム提供終了
 
 マイクロソフトは、WindowsXPの初期出荷版(
Service Pack 1未適用)向けの修正プログラムの提供を終了し、9月4日以降は、Service Pack 1 を適用した Windows XP のみ、修正プログラムの対象とすることを同社のホームページで告知しています。

 もちろん
Service Pack 1の適用は、Windows Updateで可能ですから、Windowsのシステムのプロパティーで確認して適用されてなければ、ダウンロードしてインストールすれば済むことです。

 WindowsXPの
Service Pack 1 は、昨年9月にリリースされ、その後1年経ってますが、これまではXPの初期バージョンのままでも、XPの自動アップデート機能で修正プログラムが適用でき、Service Pack 1の適用は急がなければならないことではなかったのです。特に具合が悪くなければ触らないほうが良いのではと思うのも、これまではもっともなことです。

 
中には前にService Pack 1を適用したところ、パソコンの調子が悪いから戻したという場合もあるようですが、しかし今後、修正プログラムが提供されないのでは考えものです。

 少し前のBlaster騒ぎなどは、適切なファイアーウォールの設定でウィルスの侵入を防ぐことができますが、元々はWindowsの
RPCというリモート操作機能の脆弱性を悪用しているので、このセキュリティーホールを塞いでおくに越したことは無いのです。

(Blasterって何?と思われる人は、「8月17日版 
今週のトピックス」でWindowsXPでのBlaster対策を初心者向けに解り易く説明してますので参考にしてください。)

 さらに、Windows
PRCSSバッファオーバーランにより任意のコードが実行される緊急度の高い脆弱性「MS03-039」がみつかり、9月11日にマイクロソフトは早急に対策をとるように警告しており、修正プログラムが提供されています。

 頻繁に緊急度の高いセキュリティーフィックスが必要では困るのですが、Windows
Updateのインストールの履歴を見ると、XPの自動アップデート機能によりインストールされた少し緊急度の低いものも含むセキュリティー関係の修正プログラムの多さには驚かされます。

 常時インターネットに接続されている環境では、やはり早く
Service Pack 1を適用しXPの自動アップデート機能を使用して、修正プログラムを当てておくことは大切なことで、またそういう状況下にあるということでしょう。

http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/endofgold.asp
http://www.microsoft.com/japan/security/security_bulletins/ms03-039e.asp



  9/7版 Yahoo!BBが9月から新キャンペーンに切替え 
 
 Yahoo!BBの
7月1日からのYahoo! BB 最大3か月間無料体験キャンペーン」は8月末で終了し、新たに9月1日から11月15日の期間を対象として「最大3か月間無料キャンペーン」が始まりました。

 これまでの
キャンペーンの切替えでは、少しづつ内容が変わり優遇されてきているのですが、今回は直接ADSL接続サービスの費用ではないものの、BBフォンが通常料金となっており、電話を多く使うBBフォン目当てのユーザーにとっては少しガッカリなのかもしれません。

 また今回は、期間が月末ではなく11月15日までと中途半端で、他社のキャンペーンを横目に見ながら、そろそろ拡張路線から収益重視へと転換していく時期に来ているのではとも見れそうです。

 NTT西日本の「いまただ割引」、NTT東日本の「
最大3ヵ月無料キャンペーン」は9月30日までキャンペーン中、アッカやイー・アクセスの大手提携プロバイダも引続きキャンペーン中ですが、いずれも顔色を伺いながらということなのでしょう。

 全体のADSLの新規加入者の増加数も、この夏場に入って増加ペースがダウンしてきており、事業としては安定期に入っていかざるを得ないのでしょうが、これからも下り速度が最大50Mbpsのサービスが予定されるなど競い合いは続くのでしょう。

http://bbpromo.yahoo.co.jp/promotion/campaign/threemonth/index.html



  8/24版 TTCで長延化方式の検討着手
 
 TTC(社団法人情報通信技術委員会)の8月7日に開催された第3回スペクトル管理SWGの議事録が公表されましたが、議題の中にNTT局から5kmを超える場合の長延化方式が含まれています。

 この長延化方式について資料を提出したのは、ADSLチップ開発メーカーであるCentillium Communications社、Globespan Virate社、パラダイン社と住友電気工業です。まだ資料が寄せられただけで、保護されるべきシステム、既存のスペクトル適合方式への影響の考え方、5km超のスペクトル適合性の計算方法など長延化方式に配慮するための骨子となるべき事項は、今後の課題となっています。

 ざっと提出された資料を眺めると、やはり距離のハンディはあまりにも大きいという印象で、少し配慮する程度のことでは、救うことができないのではという感じです。5km超では、例えば500Kbpsの速度が5割アップしたところで750Kbpsにしかならないので少しぐらいの技術レベルのアップでは何ともならないということなのかも知れませんが、ユーザーから見れば、せめて1メガオーバーをと夢見るのも当然のことなのです。

 どうも使用周波数帯域を広げないで低い周波数帯域に絞って出力を上げるということが最も効果がありそうなことと、Yahoo!BBのリーチDSL技術の開発元のパラダイン社の5km以内で保護されている方式を5km超で利用した場合は保護されるべきでない、つまり長距離同士のスペクトル管理では元々距離に強くない方式を保護することで距離に強い方式を犠牲にしてしまうという主張はなるほどと思いました。

 なおこのパラダイン社は、長延化方式の議題とは別にリーチDSLの新しい規格ReachDSL V2.2とReachDSL V2(12dB)のスペクトル適合性の資料を提出しており、関係者を募りクロスチェックを行うことが決まっています。下り最大960Kbpsから2.2MbpsにパワーアップしたReachDSL V2.2でも5km以遠では1Mに届かないようですが、遠距離ユーザーにとっては各社の12Mサービス開始以来の久方ぶりの朗報であり、5km超では長延化方式がどうのこうのと言っているより、これが最善と思えるのです。

 最近、距離2kmぐらいで12Mサービスから24Mや26Mサービスに乗り換えても、結果として速度が遅くなったという事例があまりにも多いことも、信号が届かない周波数帯域まで広げてみても低い周波数帯域で出力が低くなれば逆効果であることを証明しています。

 先に決まったこととは言え、長延化方式への配慮がNTT局から5kmを超える場合に限ることが適当かどうか、見直すべきではと思います。5km超はリーチDSLに任せて、数多くのユーザーが、現実の速度が不満で何とかもう少し速くなればと思っている24Mや26Mサービスの恩恵の無い距離2kmから5kmの範囲について対策が必要ではと思います。

 長延化方式という特殊扱いでなくても、業界全体として長距離化に取り組み、ベストエフォートとしても、せめて半数以上のユーザーが最大速度の5割の速度が出て、最低でも2割ぐらいの速度が出るように努力するのが課題ではないのでしょうか。
 24Mや26Mサービスに申し込んで、10Mbpsを超えることが極めて稀では、あまりにも世間の常識とかけ離れているのでしょう。

 第4回の会合は10月17日の予定であり、随分先となることも長距離化に熱心でないのではと思われ、距離の遠いユーザーを切り捨てているという印象を持ちます。せめてReachDSL V2.2のスペクトル管理の適合性ぐらいは早く確認してはと思います。

http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/dsl.html
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/030807/gijiroku.pdf
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/030807/SMS-03-09.pdf
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/030807/SMS-03-10.pdf
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/030807/SMS-03-11.pdf
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/030807/SMS-03-12.pdf
http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/030807/SMS-03-20.pdf



  8/17版 常時接続でのBLASTERウィルスの対策 
 
 先週から新聞やテレビで報道されているほど大きな話題となっているBLASTERと呼ばれるWindows2000、XPに感染するウィルスは、急速に広まっている模様です。このウィルスに感染すると、画面にエラーメッセージが表示され、勝手にWindowsが起動・再起動を繰り返してしまう、終了することができないという症状となります。

 ADSLを利用している場合、ADSLモデムの電源を通常入れたままにしており、パソコンの電源が入っていればインターネットに常時接続されているため、何もしなくても
いつの間にか感染するこのウィルスは、非常に危険です。

 マイクロソフトが8月12日に発表した
「Blasterに関する情報」をもとに、家庭でADSLを利用している個人ユーザー向けに、WindowsXPでの解り易い対応方法について、要点をまとめてみました。
http://www.microsoft.com/japan/technet/security/virus/blaster.asp

1 ウイルスの進入を防ぐ
2 ウィルスの活動を阻止する
3 ウィルスを駆除する

 完璧なウィルス対策は、上記1〜3を措置することですが、いずれも難しくはなく、すぐに完了すると思います。

 はじめに、既にウイルスに感染しているかどうかWindowsのタスクマネージャで確認が必要です。Ctrl+Alt+Deleteキーを同時に押せばダイアログボックスが表示され、タスクマネージャをクリックし選択します。次に「プロセス」タブをクリックし、
ウイルスプログラムのmsblast.exeがある場合は感染しています。「イメージ名」をクリックするとアルファベット順に並べ替え表示されるので、msblast.exeを探しやすいでしょう。

 次に、感染してない場合は、「1 ウイルスの進入を防ぐ」、「2 ウィルスの活動を阻止する」予防策が必要です。
 まず今回の原因となったWindowsのセキュリティーホールを修正するプログラムを入手し実行します。

 既にWindows Updateで時々更新をかけている場合は、
7月17日から配布されているセキュリティー修正プログラムがインストールされているかもしれません。「コントロールパネル」-「プログラムの追加と削除」とクリックし、「WindowsXP ホットフィックス - KB823980」という項目があれば修正プログラムはインストール済みです。

 このKB823980がみつからなければ、「コントロールパネル」の左側にあるWindows Updateで更新するか、下記URLをクリックし、WindowsXP用の修正プログラムをデスクトップに保存してからインストールしてください。
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;823980

 このKB823980修正プログラムは、BLASTERウィルスの感染を防ぎ活動を阻止することができますが、ウイルスのアタックそのものを防ぐことも、万一侵入した場合にウィルスを駆除することもできません。

 そのため使用しているファイアーウォールの設定を確認するとともに、ウィルス駆除ソフトのウィルス定義を更新しておく必要があります。

 このBLASTERウィルスは、パソコンの
TCP/UDP135、 TCP139 、TCP445 、TCP593番ポートを無差別にスキャンして、開放されていれば侵入します。これらポートに対するアクセスをファイアーウォールで許可しないように設定するか、ルータを使っていても、ゲームやメッセンジャー、チャットなどの利用のために特定のパソコンやポートを開放している場合は該当ポートのフィルタリングが必要です。


 しかし既に感染している場合、BLASTERウィルス対策中に
Windowsが起動・再起動を繰り返しては困るのです。この場合は、まず 「2 ウィルスの活動を阻止する」必要があります。

 まずパソコン本体からLANケーブルを外し、ADSLモデムの電源を切ります。
 その後、WindowsXPのファイアーウォール機能を有効にして、msblast.exeを停止してから、LANケーブルを戻し、ADSLモデムの電源を入れて再度ネットに接続します。
 その後Windowsの修正プログラムをダウンロードして実行し、ウィルス駆除をするという手順ですが、下記URLに図解で解り易く説明されています。

 またウィルス駆除は、手動で駆除する方法について最初の
「Blaster に関する情報」の中で説明がありますが、これも下記URLにウィルス駆除ソフトメーカーのアクセス先のリンクがあり、使用しているウィルスソフトの駆除ツールを入手して使うことが安全のようです。
http://www.microsoft.com/japan/technet/treeview/default.asp?url=/japan/technet/security/virus/blasterE_xp.asp

 マイクロソフトの説明では、
Blasterウィルスは、ワーム型のウィルスで、WindowsのRPCというリモート操作機能の脆弱性を悪用して、プログラムのインストール、表示の変更、データの削除、または、全アクセス権を持つ新規アカウントの作成を含めた、いかなる操作も行える可能性があると説明しています。

 Windows Updateで修正プログラムの配布が遅れたこと、ADSLの急速な普及で常時接続のパソコンが増えたことが今回Blasterウイルスが急速に広がっている原因と思います。

 WindowsXPにはファイアーウォール機能がありますが、LAN内部でもファイルの共有などの機能が使えなくなることもあり、ファイアーウォールソフトや、ルータを使用してなければこの際検討されてはどうでしょうか。既に同タイプの亜種ウィルスも発生しているようです。
 今回のウィルス騒ぎに限らず、何もファイアーウォールを使ってなく無防備のままということではADSLの常時接続環境は危険すぎます。
(ADSLのセキュリティーについては「ADSL少し詳しい基礎知識」を参照してください。)



  8/10版 クアッドスペクトル方式採用の必要性 
 
 
ADSL各社の下り最大24Mbps、26Mbpsサービスでは、周波数帯域の上限を2.2MHzまで利用するダブルスペクトル方式を採用していますが、今秋以降に登場する下り最大50MbpsADSLサービスでは、さらに上限を3.75MHzまで拡張したクワッドスペクトル方式の採用が予定されています。

 下り最大50MbpsADSLサービスに必要な収容局設備やADSLモデムなど機器は、米Centillium Communications開発したチップセットを搭載し、チップセット自体はサンプル出荷を開始しています。ADSLモデム用のチップセットは、下り最大24Mbps「Palladia 210」、
下り最大50Mbpsが「Palladia 220」で、Palladia 220はルータ機能、無線LAN機能をサポート可能とのことです。

 またこのCentillium製チップの搭載機器は、日本国内のNECや住友電工ネットワークスなど通信機器メーカーが製品化するのですが、おそらくこちらも研究が進んでいることと思います。

 しかし50Mbpsを支えるクワッドスペクトル方式や伝送ビットの増加技術は、国内・国外ともに規格の標準化がされてなく、これまで国内のスペクトル管理の混乱から、標準化されてない技術の導入は時期的には目途が立たないのではと思えるのです。

 国内のスペクトル管理については、大もめの末、6月25日に総務省の情報通信審議会が「DSLスペクトル管理の基本的要件」を一部答申しています。

 この後、舞台がTTC(社団法人情報通信技術委員会)に移り、このDSL専門委員会のスペクトル管理SWG(サブワーキンググループ)は基本的要件を踏まえて、7月9日に既存の未確認方式、新たな24Mbpsサービスの「スペクトル適合性確認結果報告書」を公表し、この報告書が発表された翌日の7月10日に、NTT東西から総務省に対して接続約款の変更の認可申請がされています。

 
TTCでの審議に移ってからは、バタバタ劇の様相で、実は7月15日のTTCスペクトル管理SWGで、クワッドスペクトル方式は非標準でもスペクトル適合性は検討するとして、ダブルスペクトルと同等の計算結果となるためBクラス(収容制限なし、線路長制限なし)とすると議事録に記録されているのです。

 その後8月7日の第3回TTCスペクトル管理SWGで、クアッドスペクトラムの処遇がもめ、米Centilliumのライバルである米Globespan Virataが覆そうとする姿勢を示し、イー・アクセスなどクアッドスペクトラムを使おうとしている事業者が激しく反発するという構図であったようです。

 今まで使われてない高帯域のスペクトル管理はもっと慎重に検討すべきという正論が、強硬に審議に持ち込み前に決まったことだからという方法論とのハザマで、揉めるということは世の常なのでしょうか。検討時間が確保できずドタバタで決まってしまう会議の運営方法が問題なのかもしれませんが、まさにユーザーの声が反映されない業界団体での争いごとだからという面がなきにしもあらずと思います。

 下り最大50Mbpsの有利なサービスを、他社より少しでも早く提供したいという状況は理解できるし、またイー・アクセスにとってはサバイバルがかかっているのでしょうが、アッカも追随しているようです。しかし24Mbps、26Mbpsサービスでさえ全ユーザーの半数以上が乗り換えても効果が無いようで、最大50Mbpsサービスでは、さらにNTT収容局に近いユーザーしか恩恵がなく、距離1km以内しか乗り換えが奨められないとすると1割から2割とほんの一握りのユーザーしか恩恵がないように思います。

 この7月15日の議事録には、次会合に向けた課題として、5km以遠向けの方式の方向性の議論など長延化に向けて寄書を募るとしており、ADSL各社が前向きに資料を提出して審議してほしいと期待するとともに、既存のユーザーの評判を良くすることの大切さを再認識してほしいと願うものです。
24Mbps、26Mbpsサービスが始まって、多くのユーザーは、もう見かけ倒しに冷めてきているようで、これからがADSL接続サービス業者として真価が問われるときと思います。

http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/030716/gijiroku.pdf



  8/3版 ブロードバンド加入者数の増加状況 
 
 7月31日に総務省が発表した資料を見ると、6月末のADSL加入者数は825万7千人と前月末から約35万人増加してますが、増加数の伸びはややペースダウンしています。

 昨年夏から年末にかけて、ADSL各社の12Mサービスが始まったころから増加ペースが上がり12月の増加数53万人がピークで、以降少しづつペースダウンしてましたが、ADSL各社のキャンペーンは継続されているものの、5月末で一区切りであったこともあってか6月の増加数が伸び悩んでいます。

 最近、ADSL各社の24Mbps、26Mbpsサービスの申し込み受付が始まり、また少しペースアップするとは思われますが、インターネットの利用者の多くは既にブロードバンドの常時接続環境に移行しており、24Mbps、26Mbpsサービスには、昨年の12Mサービスのようなインパクトがないのではと思われます。

 そうはいっても、NTTグループの
光ファイバ事業も、今年度100万件の加入の目標が既に黄信号ようで、施設整備にコストのかかるCATV網の利用者も急激には伸びにくいことから、これからも現時点でまだ2000万人近くのダイアルアップユーザーが、少しづつADSLに切り替えて加入者が伸びていくものと見込まれます。

 あまりインターネットを利用しないライトユーザー向けのアッカやイー・アクセスの下り速度を最大1Mbpsに制限した1Mサービスは、8月からSANNNETも開始したように提携プロバイダでのコース採用が進む一方、ASAHIネットのように20M超サービスの開始に当たって、既存の1.5M、8M、12Mサービスを整理統合する動きもあります。

 これからがサバイバルということなのでしょうが、遠距離ユーザー向けには、コストが合わないようで、相変わらずYahoo!BBのリーチDSLのみという状況です。

http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030731_1.html
http://www.sannet.ne.jp/sannet/news/20030730-2.html
http://www.asahi-net.co.jp/news/030730_1release.html



  7/27版 情報通信審議会のNTT接続約款変更案の意見募集 
 
 総務省の情報通信審議会の下部組織である電気通信事業部会は、7月22日から、新たにスペクトル適合性が確認されたDSL方式を利用するDSL回線の接続条件等に関する改定のためのNTT東西の接続約款変更案に対する意見募集を始めました。

 これまでスペクトル適合性が未確認とされていたYahoo!BBなど12Mbps方式のADSLについて、スペクトル適合性の確認がされたことから、接続約款の変更を行うとのことですが、結局この約款の変更はNTT使用料などユーザーに転嫁される料金改定につながるものです。

 NTT使用料は、昨年2月にNTT東が5円値下げの168円、NTT西が3円値上げの176円とする改定が認可されており、その時の審議会の答申資料では、利用者に値上げを転嫁するとしてもわずかなことでありやむを得ないという考え方でしたが、今度は意見募集の後にどう答申するのでしょうか。

 特定のDSL方式と同一カッド内に収容された場合の事後対策ルールを規定するとともに、事後対策ルールに係る手続費を新たに設定するとか、DSL方式の導入に必要な線路情報を提供するための線路情報開示システムの機能追加に関する接続料の改定を行う必要があると記載されてますが、昨年よりはるかに多額の費用の伴うことです。

 昨年2月のNTT西の値上げの主要因も情報開示システムの修正費用でしたが、今回は、ましてや情報開示システムのADSL接続業者にしか開示しない情報を得るための修正費用をユーザーに転嫁させるのでしょうか。

 ADSLが例えベストエフォート型のサービスであったとしても、あまりにも現実の接続速度と乖離があることは問題であり、公正取引委員会が、誤解をまねきやすい表示や説明不足を問題と指摘していますが、不当表示を取り締るという立場上から表示のことを前面に出しているとしても、ことの本質はベストエフォートといっても許される範囲があり、あまりにも乖離することは容認されるべきではないということでしょう。

 NTT収容局から近い遠いという格差は、もともとユーザーの責に帰することではなく、距離の遠いユーザーは理不尽と思いながらも遅い速度で我慢しており、もし収容替えとなり、さらに価格差がつくのでは納得しがたいでしょう。

 Yahoo!BBの12Mサービスのトリオモデムでは、当初からAnnexA、AnnexA(OL)、AnnexCと切り替えて使う含みもあり、オーバーラップを使わない方式に切り替えるという選択もあるのですが、ユーザーには知らされないで、制限距離以遠ということで勝手に切り替えられて、リンクしなくなるおそれがあるようでも困ります。

 例えば、1Mのリンク速度当たりの価格を定め、1Mのリンク速度しか出ないなど遅い場合は割り引くとか、サービスの質で料金を定めるという考え方が広がってもよいように思います。

 最近、アッカやイー・アクセスで1MサービスをPRしてますが、残念ながらこの1Mサービスは距離に弱いので、まだ1.5Mサービスの方がましでしょうが、利用料金が24Mサービスの10分の1でも数字上おかしくないのです。

 オーバーラップを使わないAnnexCの12Mサービスは距離制限を受けないといっても、測定サイトでの現実の下り速度の報告を見ると、距離が遠い場合は悲惨な速度の場合が多いのです。つまりTTCのスペクトル管理適合報告書を見ると、上り帯域しか影響を受けてないはずなのにAnnexC12Mサービスの下り速度は距離による減衰が大きく、長距離ユーザーには24Mサービスと同様にとても奨めれるものではないのです。


<参考>
   今週のトピックス2/16版、4/20版、5/18版、7/13版-
ADSL関係の最近の情報を参照

http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030722_1.html
http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/pdf/030722_1_01.pdf



  7/20版 ADSL各社の24M・26Mサービスの提供スケジュール 
 
 ADSL各社の下り最大24Mbpsまたは26Mbpsサービスが発表されて1か月ほど経ちますが、その後の各社の発表によると、NTT西日本の「フレッツ・ADSL モア24」とソフトバンクの「Yahoo!BB26M」は、7月15日からサービスの提供がそれぞれ始まったようです。

 NTT東日本の「フレッツ・ADSL モアII」は、7月22日から提供開始する予定であり、イー・アクセスの「ADSLプラスU」は、
DTIでは7月16日から申込受付をはじめ、他の提携プロバイダでも順次受付け、7月29日からサービスを提供する予定とのことです。

 一方アッカの「26Mサービス」は、提携プロバイダを通して7月11日から予約受付を開始してますが、まだサービスの提供時期は発表していません。

 このアッカの「26Mサービス」では、IP電話、無線LAN機能を備えた多機能ADSLモデムも用意されてますが、この多機能ADSLモデムの無線LAN機能は、この6月12日に規格として承認されたばかりのIEEE802.11g規格に対応しており、通信速度が最大54Mbpsと高速通信が可能であり無線接続でもネックとならないでしょう。

 なお、イー・アクセスとアッカの両社の回線を使用したコースのあるKDDIのDIONでは、イー・アクセス回線の「
IP電話&ADSLレギュラーコース24M(e)」は7月24日から受付開始、アッカ回線の「IP電話&ADSL ACCAコース26M」は7月下旬受付開始予定となっており、やはりアッカのサービス開始日は決まってないようです。

http://www.ntt-west.co.jp/news/0307/030715a.html
http://www.ntt-east.co.jp/release/0307/030715.html
http://www.softbankbb.co.jp/press/2003/p0715_3.html
http://www.eaccess.net/information/030716.html
http://www.acca.ne.jp/release/030709.html
http://www.kddi.com/corporate/news_release/2003/0716/besshi.html



  7/13 TTCスペクトル管理適合報告書を公表
 
 7月9日に、TTCのDSL専門委員会のスペクトル管理サブワーキンググループは、「スペクトル適合性確認結果報告書」を公表しました。

 これに先立ち6月25日に、総務省から情報審議会の一部答申として「DSLスペクトル管理の基本的要件」の策定について発表されています。この内容を参考としてスペクトル適合性の確認を行った結果が「スペクトル適合性確認結果報告書」とのことです。

 ADSL各社の24Mまたは26Mサービスは、こうした動きを見越したことであり、この報告書が発表された翌日の7月10日に、NTT東西から総務省に対して接続約款の変更の認可申請がされています。

 早々の対応は悪いことではないのですが、報告書の内容については疑問に思えることがあります。NTT収容局から遠いユーザーでもリンクできるようになったり、少しでも速度がアップする可能性のあるオーバーラップ方式が距離により制限を受けることです。

 つまり長距離化の唯一の手段であるオーバーラップ方式が、上り帯域に少し影響があるということで、距離が近いユーザーしか使えないということでは、遠距離ユーザーにとっては8Mサービス時代への逆戻りです。

 DSLスペクトル管理の基本的要件の審議途中では、遠距離ユーザーへの配慮が必要との見識があったのに、また最近、公正取引委員会でも表示されている速度との格差が問題視されているのに、業界の標準化団体であるTTCは先を急ぐあまりに切り捨てているように思います。

 この先50Mbpsサービスが導入されても、NTT収容局から極めて近いユーザー、例えば1km以内でないと、その5分の1の速度も出ないというように実態が乖離していくのが良いのでしょうか。MAXスピードは、10Mbpsでも、ほとんどのユーザーがその半分の5Mbps以上でリンクし、最低限2Mbpsは確保されるように努力すべきと思います。

 これからは、ADSL回線業者やコースの選び方は、これまでどおりの選び方では適切ではないということがありそうです。

http://www.ttc.or.jp/j/info/dsl/index.html
http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030625_5.html



  7/6版 Yahoo!BBが7月から新キャンペーンを実施
 
 Yahoo!BBの「15コの0円キャンペーン」は、期日が6月30日までの申込みが対象であり終了しましたが、7月1日からは新しいキャンペーンが始まりました。
 新キャンペーンと言っても、無料より安くはできないので対象期間を少し変更した程度で、中身は従前とそれほど変わってないのです。

 しかし詳しく見ると、これまでもISP利用料は最大3ヶ月無料と同じですが、ADSL利用料が最大2ヶ月から最大3ヶ月無料と1か月長くなり、モデムレンタル料も最大1か月から最大3ヶ月無料と無料期間が長くなっており、また少しお得になっています。

 なおBBフォンの月額利用料については、従前と同じ最大2ヶ月無料のままで、最大5万円までという金額の上限はなくなったものの、通話先によっては適用対象外となるようになったため使い方次第のようです。

 また、「光収容でもあきらめないぞキャンペーン」と併用が可能となったことは、ほんの一部のユーザーにしか関わりのないこととしても、条件的に恵まれなくても申込み易くなり喜ばれることと思います。

 Yahoo!BBも6月25日から「Yahoo!BB26M」の新規申込みの受付けが始まりました。他のADSLサービスでも同じですが、今度の下り最大24Mbpsや26Mbpsサービスは、全てのユーザーに適しているサービスではないのです。NTT収容局から自宅までの距離が遠いと12Mサービスとリンク速度は変わらないのに、利用料金のみ高いということになりかねないのです。

 もちろん距離が近い場合は、ある程度速度がアップするでしょうし、選択肢が増えることは好ましいことです。
 アッカではライトユーザー向けに下り最大1Mbpsのエントリーサービスを提供しており、hi−hoではこのアッカの回線を利用したエントリーサービスのユーザーを対象に便宜を図り、7月16日からコース変更の受付けを開始すると発表しています。

 一方イー・アクセスは、アッカのエントリーサービスと同じ下り最大1Mbpsに速度を制限した「ADSL1Mサービス」を、7月4日から提供するとのことです。やはりこれからは自分の環境条件や使い方に適したサービスを選んでいくと良いのでしょう。

http://bbpromo.yahoo.co.jp/promotion/campaign/threefree/
http://bbpromo.yahoo.co.jp/promotion/campaign/threefree/details.html
http://town.hi-ho.ne.jp/news_release/2003/0701.htm
http://www.eaccess.net/information/030630.html


   
 
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