ビデオカード − 自作パーツの選び方

ビデオカードは、ディスプレイ画面への描画の処理を行うためのもので、そのためにグラフィックチップ(GPU)を搭載し、このチップによって処理速度など性能差があります。

 なお、グラフィックオンボードのマザーボードでは、ビデオカードが無くてもディスプレイに出力でき、ビデオカードを省くことができます。


パーツの種類別の選び方・・・ビデオカード

 
 Videocard

 ビデオカード





 (主要メーカー)


  ATI −AMD製
  チップ採用メーカー

  AOPEN

  Asustek

  GIGABYTE

  HIS

  MSI

  PowerColor

  SAPPHIRE

  玄人志向


















  NVIDIA
  チップ採用メーカー

  Aopen

  ALBATRON

  Asustek

  ELSA

  GIGABYTE

  GALAXY

  INNOVISION

  Leadtek

  MSI

  XFX

  ZOTAC



















































































































































































































































































































































































































WindowsXPの時代は、主に3Dゲームを楽しむためにパソコンを使うのでなければ、あえてビデオカードは必要がなく、一般的な用途ではオンボードグラフィックでも十分でした。

 Windows Vistaでは、HomePremium以上のエディションで、新しいGUI(Graphical User Interface)であるWindows Aeroを採用していますが、Windows Aeroはパソコンのグラフィックス パフォーマンスが低いと使うことができません

 そのため少し古いパソコンでは、ビデオカードを増設しないと、Windows Aeroが使えないケースも多いのですが、最新のマザーボードのグラフィック統合型チップセットは、VistaのWindows Aeroに対応しているものが多くなっています。
 
 しかしオンボードグラフィックでは、Vistaのパフォーマンス評価のグラフィックスのスコアがクリアしてしていても、それで十分といえるほど高いスコアではなく、ビデオ編集など動画の処理や3Dゲームを時々するのであれば、やはりビデオカードを使った方が余裕があります。
 (詳しくは「WindowsVistaの評価」を参照してください)


ビデオカードの必要性の判断

Windows Vistaは、2007年1月30日に発売されましたが、その初めの頃は、古いパソコンの増設用のニーズに対応するため、これまでビデオカードを使わなかったユーザー層をターゲットに、Valueクラスの安いエントリー向けビデオカードが次々とリリースされています。

 Vista発売時点で最新、またはそれ以降にリリースされたグラフィック統合型チップセットを搭載するマザーボードであれば、ビデオカードを増設しなくても何とかWindows Aeroが使用可能でしょうが、グラフィックス性能のハードルが高いVistaの登場によって、ビデオカードのマーケットは拡大しています。

 また、最近ではパソコンで映像を扱うことも多くなっており、動画の再生、特にHD DVDやBlu-rayディスクなど高精細ビデオ(HDビデオ)を見るときに、CPUの負荷を軽減する機能がビデオカードに備わっており、GeForceシリーズはPureVideo HD 技術を採用、RADEON HDシリーズはUVD(Unified Video Decoder)をサポートしています。

 グラフィック統合型チップセットも、WindowsVistaへの対応が進んでおり、特にAMDのプラットフォームでは、元々グラフィックチップ・ベンダーであるNVIDIAと、旧ATIの技術をベースに純正チップセットの提供を再開したAMDの両社のグラフィック統合型チップセットの内蔵グラフィックス機能が強化されてきています。

 AMDが2007年3月にリリースしたAMD690Gチップセットの内臓グラフィックスは RADEON X1250を統合しており、さらに2008年2月に登場したAMD780Gチップセットの内蔵グラフィックスは Radeon HD3200と強化されています。

 このAMD780Gチップセットは、動画再生支援機能のUVDや、内臓グラフィックスとビデオカードを組み合わせ高速描画や消費電力の抑制を図るHybrid Graphics、ビデオ専用メモリを搭載できるLFBなど新しい機能をサポートしています。

 さらに2008年8月に、グラフィック性能が高くて評価の高いAMD 780Gチップセットより、高性能なRADEON HD3300内臓のAMD 790GXチップセットが登場しています。

 また、NVIDIAが2008年6月にリリースしたGeForce8200チップセットの内臓グラフィックスは GeForce8200とValueクラスのビデオカード相当であり、こちらも内臓グラフィックスとビデオカードを組み合わせるHybrid SLIをサポートしています。

 こうした最新のグラフィック統合型チップセットを搭載するマザーボードを使用するのであれば、パソコンで主に3Dゲームを楽しむのでなければ、ビデオカードを使わなくても不自由なケースは少ないでしょう。

 最初はオンボードで様子を見て、ゲームの画像が紙芝居のようになってしまうような重い3Dゲームを楽しみたいのであれば、後からビデオカードを増設しても良いでしょう。

 IntelのLGA775プラットフォームでは、グラフィック統合型チップセットもIntel純正が主流であり、Core2 DuoをサポートするG965チップセットの内臓グラフィックスGMA 3000でWindowsVistaに対応しています。

 なお、G965チップセットの内臓グラフィック(GMA 3000)のベンチマークは、「Core2 Duo PC自作」で、Vistaでの評価については、「WindowsVistaの評価」で記載しており、参考にしてください。

 2007年6月に登場した「Intel3シリーズ」のFSB1333MHzのG33チップセット(GMA X3100)とG35チップセット(GMA X3500)とグラフィック性能はさらに良くなっています。

 また2008年6月に発表された「Intel4シリーズ」のG45チップセットは内臓グラフィックスとしてGMA X4500HDに進化し、動画再生支援機能も付加されています。

 このところIntelのプラットフォームでは、AMDのプラットフォームよりグラフィック統合型チップセットの開発が遅れているようですが、それでも新しいチップセットでは、エントリー向けのビデオカード並みに性能が向上しています。

 しかし、パソコンで高速描画が必要な最新の3Dゲームをプレイしたいのであれば、内臓グラフィックスでは動作不可のゲームや負荷が重すぎて遊べないゲームもあり、やはりビデオカードを使った方が快適でしょう。

 そして、ビデオカードを購入するのであれば、AMD790GXチップセットやG45チップセットの内臓グラフィックス性能を明らかに上回るモデル、つまりミドルクラス以上のGPU(グラフィックチップ)を搭載しているビデオカードを選んだ方が良いでしょう。

 ソフトウェアである3Dゲームは、ハードウェアのグラフィック性能が向上してきていることを前提に開発されており、動きを速くしたりリアルさを追求するために負荷が重い処理を多用することがトレンドとなっています。

 そのため、今は何とか使えるエントリークラスのビデオカードでも、すぐに満足にプレイできない最新ゲームが多くなることが想定され、将来にわたって3Dゲームを楽しむのであればミドルクラス以上のビデオカードが必要という結論となります。

 なお、AMDのプラットフォームでは、Hybrid Graphics(CrossFireX)やHybrid SLIをサポートしているマザーボードでは、エントリー向けの安いビデオカードを追加してグラフィックス性能を向上させることが可能ですが、現在はミドルクラスのビデオカードも安い価格で流通しており、ミドルクラスのビデオカードの方がパフォーマンスが優れています。


NVIDIAとAMD-ATIの開発競争の経緯

 GPUとしては、ここ数年NVIDIA製のGeForceシリーズとAMD-ATIのRADEONシリーズがライバルとして競い合ってきましたが、両社ともにWindows Vistaの発売以降、競い合って新しいシリーズへの世代交代が早くなっています。

 Vistaの発売された2007年1月当時は、NVIDIAではGeForce7シリーズ、ATI(現AMD-ATI)ではRADEON X1Kシリーズが現役でしたが、Vista発売前後から驚くべきほど速いテンポで次々と新しいシリーズへと移行しています。

2006年11月 GeForce8シリーズ ハイエンド 8800GTX登場
2007年 4月 GeForce8シリーズ ミドルクラス 8600GTS等登場
2007年 5月 RADEON HD2000シリーズ ハイエンド HD2900XT登場
2007年 6月 RADEON HD2000シリーズ ミドルクラス HD2600XT等登場
2007年11月 GeForce8シリーズ ハイエンド 8800GT登場
2007年11月 RADEON HD3000シリーズ ハイエンド HD3870等登場
2008年 1月 RADEON HD3000シリーズ ミドルクラス HD3650等登場
2008年 2月 GeForce9シリーズ ミドルクラス 9600GT登場
2008年 3月 GeForce9シリーズ ハイエンド 9800GTX登場
2008年 6月 GeForceGTX200シリーズ ハイエンド GTX280登場
2008年 6月 RADEON HD4000シリーズ ハイエンド HD4850登場
2008年 8月 GeForce9シリーズ ミドルクラス 9500GT等登場
2008年 8月 RADEON HD4000シリーズ ハイエンド HD4870X2登場
2008年 9月 RADEON HD4000シリーズ ミドルクラス HD4670等登場
2008年10月 RADEON HD4000シリーズ ミドルクラス HD4830登場
2009年 1月 GeForceGTX200シリーズ ハイエンド GTX295等登場

 2007年前半のミドルクラスのGeForce8シリーズとRADEON HD2000シリーズは、動画の再生支援機能や統合シェーダ技術の採用など技術的には大きく進化しましたが、グラフィック性能は少しパフォーマンスが上がっている程度でした。

 動画の再生支援としては、特にHD DVDやBlu-rayディスクなど高精細映像を見るときに、CPUの負荷を軽減する機能として、GeForce 8シリーズからPureVideo HD 技術を採用、ミドルクラスのRADEON HD2000シリーズからUVD(Unified Video Decoder)をサポートしています。

 3Dゲームの描画性能は、これまでGPUのコアクロック、メモリクロックと、ピクセルシェーダ、バーテックスシェーダのユニット数に大きく左右され、中でもコアクロックが高くてピクセルシェーダ数が多いGPUがパフォーマンスが良いGPUでした。

 しかし、ピクセルシェーダとバーテックスシェーダのどちらか一方を酷使する3Dゲームが多くなったため、ピクセルシェーダやバーテックスシェーダのユニットをストリームプロセッサに統合することにより、ピクセルシェーダ、バーテックスシェーダ、ジオメトリシェーダのうちネックとなる処理に割り当てることで効率性を高める統合シェーダ技術が採用されています。

 そして、この ストリームプロセッサの数がパフォーマンスに最も大きな影響を与える要因であり、GeForceとRADEONのそれぞれ同じシリーズ内のGPUを比べるとストリームプロセッサ数が多い方が優れています。

 GeForceシリーズとRADEONシリーズのパフォーマンスの比較は、シェーダクロックの相違など技術的に異なるために、単純にストリームプロセッサ数で比べることができませんが、それぞれのシリーズ内では、エントリー、ミドルクラス、ハイエンドの区別はストリームプロセッサ数が倍以上違うことで明確なクラス分けがされています。

 ところが2007年11月に発売されたGeForce 8800GTは、ストリームプロセッサ数112基と、上位モデルである当時のストリームプロセッサ数96基のGeForce8800GTSを上回る性能のハイエンドクラスなのに、ミドルクラスの価格帯の3万円台半ばと価格破壊的な価格で登場しています。

 また同じ11月、RADEON HD2000シリーズが登場し半年しか経たない思いもかけぬ早い時期に、RADEON HD3000シリーズのハイエンドクラスのRADEON HD3870と HD3850の2種類のGPUが発売されました。

 RADEON HD 3000シリーズは、初めてDirect X10.1に対応したこと、PCI Express2.0規格をサポートしていること、55nm製造プロセスへの移行と、まさに新設計のGPUとなります。

 このRADEON HD3870は、HD2900XTと同じストリームプロセッサ数320基のままであり、メモリインターフェイスの帯域幅が256bitとHD2900XTの半分というハンディがあって、パフォーマンス的には2900 XTを下回るものの、55nm製造プロセスに移行して消費電力が抑えられている新設計のフラッグシップモデルとなります。

 こちらもRADEON HD3870で3万円台、HD3850で2万円台とミドルクラスのビデオカードの価格帯で発売されており、ライバルNVIDIAとともに、ミドルクラスのコストでハイエンドビデオカードが購入できるという状況になりました。

 本来のミドルクラスのGPUは、2008年1月末にRADEON HD 3000シリーズのRADEON HD3650、続いて2月にGeForce9シリーズのGeForce 9600GTがリリースされています。

 RADEON HD3650は、ストリームプロセッサ数がRADEON HD2600XTと同じ120基と、RADEON HD3800シリーズの4割弱と少ないため、その上位モデルのRADEON HD3850との性能差が大きく、55nm製造プロセスに進化したもののRADEON HD2600XTのパフォーマンスと同程度です。

 GeForce 9600GTは、ストリームプロセッサ数64基とGeForce 8600GTSより倍増されていますが、ストリームプロセッサ数112基のGeForce 8800GTのパフォーマンスを下回り、新しいGeForce9シリーズのデビューとしては物足りないという感じです。

 発売当初価格はRADEON HD3650が1万円台前半、GeForce 9600GTが2万円台前半でしたが、この時点で、GeForce 8800GTとRADEON HD3870が3万円程度で購入できるため、GeForce 9600GTはむしろ当初価格が高いという印象であり、ミドルクラスのGPUは2万円以下が相場というところでしょう。

 2008年3月に、GeForce 8800GTXの後継でシングルGPUとして最上位のGeForce 9800GTXが発売されましたが、パフォーマンスはほとんど向上していないため、発売当初価格は4万円程度と安く発売されています。

 そして、2008年 6月に、GeForceGTX200シリーズのGeForceGTX280、GeForceGTX260が発売され、ストリームプロセッサ数を240基と大幅に増やしてシングルGPUとしては文句なく史上最強の性能となったGeForce GTX280が名実ともにフラッグシップモデルとして登場しています。

 しかし、同じ6月に登場したハイエンドモデルのRADEON HD4870、HD4850の方が圧倒的な人気となり大きなインパクトを与えました。

 RADEON HD4800シリーズは、ストリームプロセッサ数800基とRADEON HD3870の320基と比べて倍以上に増やして大幅に性能を向上させており、下位モデルのHD4850でも、3ヶ月前に登場したGeForce 9800GTXとパフォーマンスが同程度です。

 このRADEON HD4870で3万円台後半、HD4850で2万円台前半と安い価格で発売され人気を独占したため、ライバルのNVIDIAとしては、GeForce 9800GTXをクロックアップしたGeForce 9800GTX+を発表し、直ちにGeForce 9800GTXを一気に199ドルに大幅に値下げしています。

 しかし、GeForce9シリーズでの対抗は難しく、発売したばかりGeForce GTX260の値下げに追い込まれています。

 2007年11月にGeForce 8800GTビデオカードが安い価格で登場したことがNVIDIAが仕掛けた価格破壊とすると、2008年6月にRADEON HD4850ビデオカードが2万円台前半の価格で発売されたことがAMD-ATIの攻勢による価格破壊であり、この2回の価格破壊により、すべてのビデオカードの相場は一気に暴落という状況です。

 GeForce GTX280は、パフォーマンスが良くても価格(発売当初8万円台)も消費電力(236W)も群を抜いており、まさにハイエンドのモンスター級のビデオカードとして登場しています。

 しかし、絶対的なパフォーマンスのみ着目して選ぶユーザーはわずかであり、消費電力が高ければ取り扱いは難しいし、価格が高ければ物が良いのは当たり前です。

 特に消費電力は、製造プロセスの微細化により消費電力を抑制するとしても、それでも下げることは難しく、描画性能を上げるためにストリームプロセッサ数を増やせば消費電力が高くなってしまうため、パフォーマンスを上げることよりも、いかに消費電力を抑えるかということの方がことの本質であり難しいのでしょう。

 RADEON HD4870、HD4850のリリースで、NVIDIAに大差をつけられていたAMD-ATIが一気に挽回し、その後2008年8月に HD4870を2基搭載するRADEON HD4870X2を発売、9月にミドルクラスのRADEON HD4600シリーズ、10月にエントリークラスのRADEON HD4550、HD4350とハイエンド廉価モデルのHD4830を投入して、HD4000シリーズのフルラインアップを完成させています。

 RADEON黄金時代を復活させたHD4000シリーズの勝因は、55nm製造プロセスである優位性(NVIDIAは2008年夏以降65nm製造プロセスから55nmに移行中)と、ストリームプロセッサのユニットサイズの効率化、さらにRADEON HD4870では駆動電圧が低いGDDR5メモリーの採用などワット性能に着目した設計思想が挙げられますが、何よりその効率化を価格に反映させていることが勝因でしょう。

 CPUでは、かつて2006年7月に消費電力を抑えて効率を良くすることで性能を大幅に向上させた「Core2シリーズ」の登場でIntelに一気に立場を逆転されたAMDですが、GPUでは皮肉にも全く同じ効率化という設計思想で逆転したという状況です。

 追う立場になったNVIDIAも、価格対抗や製造プロセスの微細化を進めており、2009年1月には、55nm版の Geforce GTXシリーズとして、Geforce GTX295、Geforce GTX285、Geforce GTX260をリリースしています。

 このGeforce GTX295はデュアルGPU構成であり、先にデュアルGPU構成として発売されたRADEON HD4870X2から首位の座を奪い返したことが話題となっていますが、こうしたモンスターカードはともかく、Geforce GTXシリーズも55nm版となって、対コストと対消費電力のパフォーマンスが改善されRADEONに迫ってきています。


最新のミドルクラス価格帯のGPUの選択

 PCケース内ではビデオカードが高発熱源となっており、CPUのTDPを重視するのと同じように、パフォーマンスだけではなく消費電力が低いことに関心が強くなることはトレンドです。

 つまり、ミドルクラスのGPUのコンセプトとしては消費電力が低くて扱いやすいというメリットも重要です。

 ビデオカードの販売価格は、一世代前のハイエンドモデル、といっても発売されて半年経っていないハイエンドビデオカードが2万円台が当たり前、RADEON HD4850は型番と性能からは疑いもなくハイエンドビデオカードですが、2万円台前半の価格帯で発売されたため、ミドルクラスと呼ばれることも多くなっています。

 そのため、ミドルクラスの価格帯、つまり3万円台までで購入できるビデオカードをリストアップすると下の表のように、ハイエンドモデルも候補となります。

 しかし、ハイエンドモデルのGeForce 9800GTX+やRADEON HD4870の最大消費電力は140Wオーバー、発熱が高いためにゲーマー向けの冷却能力の高いPCケースが必要であり、一般的な用途のパソコンでは避けたほうが無難でしょう。

 そのため、あえてパフォーマンスを重視して選ぶとしても、消費電力が110WのRADEON HD4850ビデオカードが本命でしょう。

 ただし、高熱を発し熱いのが難点といわれたGeForce 8800GTでも消費電力は105Wであり、RADEON HD4850の消費電力はそれを上回るため、コンパクトなPCケースで使用したり、静音パソコンを志向するのであれば向いていません。

 <ミドルクラス価格帯のビデオカードの主なスペック
  コアクロック メモリ
データレート
ストリーム
プロセッサ
消費電力
GeForce
9800GTX+
675MHz 2200MHz 128 141W
GeForce
9800GT
600MHz 1800MHz 112 105W
GeForce
9600GT
650MHz 1800MHz 64 95W
GeForce
9600GSO
550MHz 1600MHz 96 100W
GeForce
9500GT
550MHz 1600MHz 32 50W
GeForce
9400GT
550MHz 800MHz 16 50W
RADEON
HD4870
750MHz 3600MHz 800 160W
RADEON
HD4850
625MHz 1986MHz 800 110W
RADEON
HD4830
575MHz 1800MHz 640 110W
RADEON
HD4670
750MHz 2000MHz 320 59W
RADEON
HD4650
600MHz 1000MHz 320 48W
RADEON
HD4550
600MHz 1600MHz 80 20W
 DDR(ダブルデータレート)メモリーでは、クロックの立ち上がりと立ち下りの両方で転送可能であり、メモリクロックの倍がメモリデータレートとなります。
 またRADEON HD4870が採用するGDDR5メモリーでは、さらに倍のメモリクロックの4倍がメモリデータレートとなります。

消費電力が100WまでのGPUの中では、GeForce 9600GTとRADEON HD4670がパフォーマンスが良くてバランスも取れています。

 この両ライバルを比べると、GeForce 9600GTのメモリーイーンターフェースが256bitとハイエンドモデル並みであることから少しパフォーマンスが良いようです。

 しかし、RADEON HD4670は前世代のハイエンドGPUと同じ320基のストリームプロセッサ数と素質が良く、しかも消費電力が59Wと本来のミドルクラスの水準に抑えられており、対消費電力、対コストでパフォーマンスを見ればRadeon HD4670が極めて優れています。

 ミドルクラスのビデオカードとしては、小型PCケースでも使えること、電源ユニットに気を使わなくても良いこと、静音パソコン志向でも選択肢となること、つまり何より制約がないことが本来の姿でしょうから、消費電力59Wに抑えられたRadeon HD4670はミドルクラスのビデオカードとして理想的でしょう。

 なお、NVIDIAとAMDの競争で1万円台半ばの価格帯でも、ゲームパフォーマンスの良いビデオカードが安く購入できるようになってきており、消費電力にこだわらずに選ぶとすると、GeForce 9800GT、9600GT、9600GSOと種類が豊富なGeForce9シリーズと、2008年10月下旬に投入されたRadeon HD4830も含めて価格次第という面があります。

 ミドルクラス下位のGPUとしては、GeForce 9500GTが旧世代の1クラス上のGeForce 8600GTとスペック的に同等で同じぐらいの性能であり、ストリームプロセッサ数が320基と上位のRADEON HD4670と同じであるRADEON HD4650と良いライバルです。

 エントリークラスのGPUとしては、GeForce 9400GTとRADEON HD4550、HD4350があり、この中ではRADEON HD4550のベンチマークが最も良いようです。

 ただし、マザーボードも新たに購入するのであれば、グラフィック統合型のG45チップセットやAMD790GXチップセットのグラフィックス性能が向上しており、あえてエントリークラスのビデオカードは必要がなく、内臓グラフィックス性能を明らかに上回るミドルクラス以上のビデオカードを選択したほうが良いでしょう。

 つまりエントリークラスは、Windows Vistaを快適に使うために、少し古いパソコンの増設用など従来ビデオカードを使わないユーザー層向けのGPUです。

 GeForceかRADEONのどちらを選ぶかという視点では、これまでは3Dゲームが主体であれば相対的にベンチマークの良いGeForce系、3Dゲームもするけれど美しい綺麗な画像で映像が見たいということであれば画質が綺麗なことで定評のあるRADEON系という感じでした。

 しかし、RADEONのHD4000シリーズが、低消費電力を武器にストリームプロセッサ数を増やして、着実に前世代の1ランク上のグラフィックス性能を達成するように進化したため、単純にパフォーマンスで比べてもライバル同士で良い勝負となっています。

 UVDの効果については、AMDがRADEON HD3000シリーズをアピールするイベントでCPU負荷が100%近くかかるケースで20%程度で再生することを実演しています。

 しかし、UVDはRADEON HD4000シリーズからピクチャー・イン・ピクチャーのように2つの動画を同時に再生するときにCPU負荷を下げる機能やダイナミックコントラスト調整機能などUVD2へと進化しており、PureVideo HDもGeForce9シリーズで同様の機能強化がされており、進化の方向は似ていてそれぞれ新しいシリーズの方が良いことになります。

 NVIDIAかAMD-ATIか、どちらを選ぶか好みもありますが、2枚のビデオカードを使い3Dゲームを高速描画するテクノロジを利用するのであれば、NVIDIAのSLI(Scalable Link Interface)か、AMD-ATIのCrossFireかどちらを選ぶのかという問題があります。

 NVIDIAのSLIが先行しましたが、CrossFireも、ベンチマークだけでなく元々定評のある画質面でもメリットがあるようにアピールされており、2006年秋に、Native CrossFireに対応するビデオカードが登場し、SLIと同じようにブリッジ接続できるようになって使いやすくなっています。

 しかし、いずれもシングルユースで高性能なビデオカードが次々と登場している現状では、ビデオカードの2枚挿しは、さらにヘビーユーザーに限られ、コスト的に敷居が高いという感じが強くなっています。

 むしろ2008年に入って登場したマザーボードのチップセットとビデオカードを組み合わせるAMD-ATIの「Hybrid Graphics」とNVIDIAの「Hyblid SLI」の利用が想定されるかどうかが、ビデオカード選びに影響しそうですが、いずれもAMDのプラットフォームで選択可能であり、Intelのプラットフォームでは利用できません。

 AMDのチップセットでは、AMD780G、AMD790GXチップセットが「Hybrid Graphics」をサポートし、NVIDIAのチップセットでは、GeForce8000番台シリーズとnForce700番台シリーズのチップセットが「Hyblid SLI」をサポートしていますが、詳しくは、こ自作パーツの選び方の「マザーボード」の項と「チップセット比較−SocektAM2」を参照してください。

 前述したように、ビデオカードのGPUは、次々と新しいシリーズが登場し、半年もしないうちに世代交代が進むため、買い時が難しいという面があります。

 しかし新しいGPUが、どの程度のアドバンテージがあるのかという視点で振り返ると、やはりコストパフォーマンスが郡を抜いていたGeForce 8800GTとRADEON HD4850が支持されています。

 しかし両モデルとも消費電力が高くて熱いという難点があり、発熱が高いことを嫌うのであれば、消費電力のより低いミドルクラスのGPUを搭載するビデオカードを選ぶこととなり、執筆時点では前述したようにRadeon HD4670が消費電力に対するパフォーマンスで郡を抜いているでしょう。

 同じGPUを採用するビデオカードなら、メーカーによって大きな性能差はないのですが、コア/メモリークロックをオーバークロックしているモデルや搭載ビデオメモリーの差があるビデオカードがあります。

 オーバークロックの程度と価格差の問題ですが、価格がそれ程変わらないものは人気があります。パフォーマンスが不満でオーバークロックモデルを探すのであれば、価格が高いオーバークロックモデルより思い切って同じシリーズの上位のGPUを搭載するビデオカードを購入した方がパフォーマンスが良いことになります。

 また最近は、高熱となるGPUが多くなって、標準のリファレンスファンではなく、冷却能力を高めた独自ファンを採用するモデルが追加されることが多くなっており、発熱が心配であれば独自ファンのモデルの方が良いでしょう。

 ビデオカードを購入するのであれば、パーツショップでも評判には敏感で売れ筋商品を揃えるため、何店か回れば今何が人気があるのか解りますが、販売価格が大きく動いているので、購入の時点でインターネットの通販ショップの価格情報を確認しておいた方が良いでしょう。

 またビデオカードは、地域のパソコンショップでは最新の欲しい商品が手に入らないこともあり、見つからないときや高価であれば通販ショップで探して購入すると良いでしょう。

<通販ショップ - ビデオカード>
 CleveryDosparaソフマップe-tokka


 自作パーツの選び方 目次

    1 パーツの選択の仕方

    2 パーツの種類別の選び方

       CPU  マザーボード  PCケース  メモリー

      ハードディスク  ビデオカード  その他のパーツ


    <参考> CPUの進化の歴史 (クアッドコアCPUへの進化の経緯解説)

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