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CPUは、IntelかAMDかの選択と、デュアルコアプロセッサかクアッドコアプロセッサかの選択を迷うところです。
2008年6月時点で最新のメインストリーム向けのIntel製CPUは、45nm版のデュアルコア「Core2 Duo」シリーズと、45nm版のクアッドコア「Core2 Quad」シリーズです。
また、AMD製CPUは、デュアルコアが「Athlon X2」シリーズ、クアッドコアが「Phenom X4」シリーズとなりますが、2008年4月にデュアルコアとクアッドコアの中間のコア3つのトリプルコアの「Phenom X3」シリーズを発売したところです。
振り返るとデュアルコアプロセッサが登場したのは、IntelもAMDも2005年6月のことです。
そしてクアッドコアプロセッサは、2007年1月にIntelの「Core2 Quad」シリーズが登場し、2007年11月下旬にAMDの「Phenom」シリーズが発売されて、クアッドコアのメリットがPRされ機運は盛り上がったものの、まだこの時点では、クアッドコアへの移行は時期尚早という感じでした。
その後、Intelのクアッドコアは2008年3月末に45nm版の「Core2 Quad」シリーズがリリースされましたが、当初は流通量が少なく5月になって購入できるようになりました。
またAMDの「Phenom」は、4月上旬にTLBエラッタが修正されたリビジョン「Phenom X4」シリーズがリリースされ、ようやくクアッドコアプロセッサも有力な選択肢となっています。
しかし、全てのユーザーにとって、クアッドコアプロセッサが最適ということではなく、パソコンの主用途や使用頻度など使い方を前提として、静音性か性能重視かの嗜好、コストパフォーマンスを比較して選ぶべきでしょう。
自宅のメインパソコンは、2008年5月の連休直前にCore2 Quad Q9450を購入して組み直しましたが、自宅に居る間は電源を入れているヘビーユーザーであり、オールラウンドで処理速度が速いこと、将来、次にCPUを換装するまで長く使えそうなクアッドコアプロセッサを選んでいます。
(この組み立てについては「Core2 Quad PC自作」で説明しています。)
時系列的にCPUの進化の歴史を説明した方が理解が深まると思いますが、現在、IntelとAMDの主流のデュアルコア、クアッドコア、さらにAMD製CPUでは、トリプルコアや低消費電力版のプロセッサもあり、現時点では何を選んだら良いか難しく、読者の方はそこに関心があると思いますので、古い話は後回しにして以降は次の項目の順に説明します。
1 デュアルコアかクアッドコアか・現状のCPU選び
2 Core2 Duoシリーズ登場からクアッドコアへの経緯
3 シングルコアからデュアルコア初期のCPUの進化
なお、2と3のCPUの進化の説明については、時間に余裕があれば目を通してください。
1 デュアルコアかクアッドコアか・現状のCPU選び
前述したように2008年6月現在では、クアッドコアプロセッサへの移行の過渡期にあります。
将来性という観点では、クアッドコアに軍配があがりますが、デュアルコアと比較したときに、TDP(Thermal Design Power)がCore2 Duoの65Wに対しCore2 Quadは95Wと高く、価格が高いという難点があります。
TDPが高いことは、高発熱で消費電力が高いCPUということであり、冷却・放熱のための対策が重要となり、静音パソコンを目指すのであればハードルが高いでしょう。
また、高性能であれば高価格は当然としても、CPUの動作クロックは、現状ではデュアルコアの方が高クロックのモデルがあり、マルチタスク処理や、マルチスレッドに対応していないアプリケーションではクアッドコアのメリットが十分発揮できません。
Intelのメインストリーム向けクアッドコアの45nm版FSB1333MHzの「Core2 Quad」シリーズは、Core2 Quad Q9550(動作クロック2.83GHz、L2キャッシュ 6MB×2)、Q9450(2.66GHz、L2 6MB×2)、Q9300(2.5GHz、L2 3MB×2)の3モデルがあります。
このQ9450が一番人気ですが、現在の価格は3万円台後半とCPUに掛けるコストとしては割高です。
Q9300であれば3万円程度で購入できますが、2007年夏に発売された旧モデルの65nm版FSB1066MHzのCore2 Quad Q6700(2.66GHz L2 4MBX2)も同価格帯であり、FSBは低いものの動作クロックとL2キャッシュが上回っており、むしろQ6700の方が魅力的です。
Intelの45nm版FSB1333MHzのデュアルコア「Core2 Duo」シリーズは、Core 2 Duo E8500 (動作クロック3.16GHz、L2キャッシュ 6MB)、E8400(3GHz、L2 6MB)、E8200(2.66GHz、L2 6MB)の3モデルが発売されています。
このIntelの45nm版の「Core2 Duo」は2008年1月に発売されて以来、品薄の状態が続いてきましたが、4月に入って流通量が多くなり、その4月下旬にFSB1066MHzの廉価モデルとしてCore 2 Duo E7200(2.53GHz、L2 3MB)が追加されています。
これら「Core2 Duo」シリーズは、IntelとAMDの全てのCPUの中でも現在最も人気があり、中でもE8400が、動作クロック3GHzの大台にのって価格が2万円台前半とCPUの売れ筋価格帯にあるため一番人気です。
デュアルコアの最上位のE8500は、価格が3万円程度とクアッドコアのQ9300、Q6700と同価格帯であり、3万円のコストを掛けるのであればデュアルコアかクアッドコアか迷うところでしょう。
シングルコアからデュアルコアへは必然の流れであり、デュアルコアが登場して、しばらくしてシングルコアのCPUは消えてなくなりましたが、Intelは、次の世代でもデュアルコアはラインアップとして残す予定です。
TDPが低いデュアルコアは、静かなパソコンを組むために向いており、消費電力が低いことに対するユーザーの関心が強くなってきているという背景があるためでしょう。
すでに、AMDのCPUは、低消費電力版のCPUの方が人気があるという状況になってきています。
AMDのTLBエラッタが修正されたクアッドコア「Phenom X4」は、Phenom X4 9850 BlackEdition(動作クロック2.5GHz、L2キャッシュ 512KB×4、L3キャッシュ 2MB)、X4 9750(2.4GHz、L2 512KB×4、L3 2MB)、X4 9550(2.2GHz、L2 512KB×4、L3 2MB)の3モデルがあります。
最上位のX4 9850 BlackEditionは、倍率可変(「動作クロック=ベースクロック×倍率」の倍率が変更可能)であり、オーバークロックして使う楽しみがありますが、定格クロックでのパフォーマンスは「Core2 Quad」シリーズに及ばず、TDP125Wと高いことからマニア向けのモデルとなっています。
X4 9550はTDPが95Wで価格は2万円程度、2008年6月に流通し始めたTDP95W版のX4 9750が2万円台前半の価格であり、デュアルコア並みの価格でクアッドコアが購入できますが、これもIntelの旧モデルの65nm版Core2 Quad Q6600と競い合うレベルです。
まさにクアッドコアではAMDは苦戦ですが、TDP65Wとデュアルコア並みの低消費電力のクアッドコアPhenom X4 9100e(1.8GHz、L2 512KB×4、L3 2MB)を5月に投入しており、動作クロックを1.8GHzと抑えることによりTDPを下げたということでしょうが、TDP重視の逆転の発想でユニークです。
またトリプルコア「Phenom X3」は、Phenom X3 8750(2.4GHz、L2 512kB×3、L3 2MB)、X3 8650(2.3GHz、L2 512kB×3、L3 2MB)、X3 8450(2.1GHz、L2 512kB×3、L3 2MB)の3モデルがあります。
「Phenom X3」の設計は「Phenom X4」と同じで、コアを1つ使っていないことは本来の性能を発揮していなくて非効率とも思えますが、コア3つ動作するものを低価格で提供しているという代物です。
そのため動作クロックは、「Phenom X4」を上回ることができないようですが、同じ動作クロックで数千円安いコストパフォーマンスがメリットということでしょう。
AMDのデュアルコアで最も高性能なプロセッサは、Athlon 64 X2 6400+ (3.2GHz、L2 1MB×2)、続いてAthlon 64 X2 6000+ (3.0GHz、L2 1MB×2)ですが、AMDのCPUの場合、デュアルコアもTDPが低いものが注目されています。
既にTDP125WのAthlon 64 X2 6400+は消えつつあり、今後は「Athlon X2」シリーズの5月に投入されたTDP65W版のAthlon X2 5600 (2.9GHz、L2 512KB×2)が高クロックモデルとして使われ、次いでX2 5400 (2.8GHz、L2 512KB×2)と倍率可変のAthlon 64 X2 5000+ Black Edition (2.6GHz、L2 512KB×2)が遊ぶのに面白いという感じでしょう。
むしろTDPが45Wとさらに低いAthlon X2 4850e (2.5GHz、L2 512KB×2)、X2 4450e (2.3GHz、L2 512KB×2)、X2 4050e (2.1GHz、L2 512KB×2)に関心が集まっており、静音パソコン向けの低消費電力版として存在価値が高いでしょう。
AMDとしては、クアッドコアで苦戦しているものの、高性能なプロセッサはクアッドコアへと移す戦略を取ってきたため、デュアルコアではTDPを抑えた低消費電力版で勝負、そして低消費電力版の方が支持されており、この高クロック化により巻き返してほしいものです。
さて本題に戻って、CPU選びはパフォーマンス重視で選ぶのであれば、やはりクアッドコアでしょうがTDPは95Wまでのモデル、静音パソコン志向であれば、TDPが65W以下のCPUが無難です。
しかし、それも予算があってのことでしょうから、先に予算を決めるとすると、以下の表のCPUが候補となります。
| 予 算 |
パフォーマンス重視 |
静音パソコン志向 |
| 1万5千円以内 |
Core 2 Duo E7200 |
Athlon X2 4850e |
| 2万円以内 |
Phenom X3 8750 |
Core 2 Duo E8200 |
| 2万5千円以内 |
Core2 Quad Q6600 Phenom X4 9750(95W) |
Core 2 Duo E8400 Phenom X4 9100e |
| 3万円以内 |
Core2 Quad Q6700 |
Core 2 Duo E8500 |
| 4万円以内 |
Core2 Quad Q9450 |
− |
概ねCPUの予算は2万円〜3万円が目途で、やはり2万円台のCPUが売れ筋であり、現在は2万円台前半の価格帯に魅力的なCPUが集まっていますが、その中で一つ選ぶとするとCore 2 Duo E8400が本命でしょう。
表では敢えてパフォーマンス重視と静音パソコン志向に分けており、E8400は、静音パソコン志向の候補としていますが、それもバランスの問題であり、E8400は、動作クロックが3.0GHzと高クロックで高性能なデュアルコアCPUです。
IntelかAMDか、どちらのCPUを選ぶかは、プラットフォームの選択の問題が関わっています。どちらも将来的にはソケット形状が変更され、今購入したマザーボードは一世代限りとなりそうですが、取り敢えず節約して安いCPUを購入する場合は、将来、より高性能なCPUに換装する楽しみがあります。
現在1万5千円以下で購入できるCPUとして、Core 2 Duo E7200がオーバークロック耐性が高いようで注目されており、Athlon X2 4850eは、内臓グラフィックス性能が最強と評判の良いAMD780G搭載マザーボードと組み合わせることで大幅にTOTALコストを抑えることができ、極めてコストパフォーマンスが優れています。
Core2 Quad Q6700は、発売以来この3月までは、6万円台の価格と高価なCPUでしたが、45nm版のCore2 Quadシリーズが発売されて大幅に値下げされて半値になっています。
このように1年も経たないうちに新しいCPUが出て大幅に値下げされるということを繰り返しており、予算に余裕があっても、せいぜい4万円程度まで、あまりにも高価なCPUには手を出さない方が無難でしょう。
なお、Core2 Duoシリーズ登場からクアッドコアへの経緯までのCPUの進化について以下に説明しますので、時間があれば目を通してみてください。
2 Core2 Duoシリーズ登場からクアッドコアへの経緯
インテルは、2006年7月27日に、Core2シリーズのプロセッサを正式に発表し、同日に最上位の「Core 2 Extreme X6800」が発売され、8月5日に「Core2 Duo」シリーズが発売されました。
開発コードネームConroeと呼ばれるCore2シリーズは、これまでのPentium4系のNetBurstアーキテクチャから、効率を良くすることで性能を大幅に向上させる「Coreアーキテクチャ」へと移行しています。
インテルの説明では、このCoreアーキテクチャは、1クロックで同時に実効可能な命令を4つ(従来は3つまで)に増やしたこと、メモリーアクセス性能を向上させたこと、大型L2キャシュの2つのコアでの共有化、マルチメディアで使われているSSE命令の実行速度を速めたことなどが技術的な革新であり、要するにクロックを上げることより効率を良くすることで性能を向上させています。
そしてインテルは、高性能なCPUの象徴として長年使ってきた「Pentium」というブランド名を、新しい「Core 2」という名前のブランド名に置き換えており、まさに新世代のデュアルコアプロセッサとして、大幅に性能が向上しています。
しかも「Core 2 Extreme X6800」はTDP(Thermal Design Power)75W、「Core 2 Duo」はTDP65Wと低消費電力に抑えられていることで、発売前から人気を集めていました。
このメインストリーム向けのCore 2 Duoは、当初モデルは全てFSB1066MHzであり、Core 2 Duo E6700(動作クロック2.66GHz、L2キャッシュ4MB)、E6600(2.40GHz、4MB)、E6400(2.13GHz、2MB)、E6300(1.86GHz、2MB)と4種類が発売されました。
うちL2キャッシュ4MBのモデルは、特に高性能で人気があり、このE6600は発売当初4万円強と少し高価でしたが、そのパフォーマンスは、当時のハイエンドのPentium
EEやAthlon FX62に匹敵するベンチマークを叩き出しており、発売以来一年間人気NO1のCPUでした。
その間、2007年1月にFSB800MHzに落とした廉価モデル E4300(1.80GHz、2MB)が追加され、2007年4月に、下位モデルの
E6400と E6300のL2キャッシュ4MB版として E6420(2.13GHz、L2 4MB)と E6320(1.86GHz、L2 4MB)が加わり、続いてFSB800MHzのE4400(2GHz、L2 2MB)が追加されています。
Core2シリーズの登場から1年経った2007年7月に、FSBを1333MHzに引き上げたCore 2 DuoE6850(3GHz、L2キャッシュ4MB)、E6750(2.66GHz、4MB)、E6550(2.33GHz、4MB)が登場し、2007年7月にFSB800MHzの廉価モデルとしてE45000(2.20GHz、2MB)が、2007年10月にE4600(2.40GHz、2MB)が加わっています。
FSB1333MHzのCore2 Duoシリーズは、比較的安い価格設定で登場したため、FSB1066MHzのCore2 Duoシリーズを一気に置き換えて売れ筋モデルとなりました。
そして2008年1月に、製造プロセス45nm版のCore2 Duo E8500(3.16GHz、L2キャッシュ6MB)、E8400(3GHz、L2 6MB)、E8200(2.66GHz、L2 6MB)と、新しく8000番台となるCore2 Duoシリーズの3モデルが発売されました。
製造プロセスの微細化は、同じサイズのチップでトランジスタ数を大幅に増やし、性能の向上が図れることがメリットであり、CPUの進化を支えるベースとなるものです。
この45nm製造プロセスへの移行は、後に新設計のクアッドコアプロセッサのリリースへと繋がっていますが、取り敢えずL2キャッシュを6MBと1.5倍に増やしたデュアルコアのCore2 Duo 8000番台シリーズが先にリリースされました。
45nm版のCore2 Duo 8000番台シリーズは、既存のCoreアーキテクチャの延長線上のモデルとなりますが、L2キャッシュが増えたことでパフォーマンスが着実に向上しています。
なおIntelのCore2シリーズにはクアッドコアのCPUもリリースされていて、2007年初めに登場したときは10万円を超えていたFSB 1066MHzの「Core2 Quad Q6600(2.4GHz、4MBX2)」が2度にわたる大幅値下げにより3万円台前半で購入できるようになり人気となりました。
そして2008年3月末に、製造プロセス45nm版FSB1333MHzの「Core2 Quad」シリーズが登場し、インテルのプラットフォームでも、いよいよクアッドコアの時代へと動き始めています。
一方AMDは、Core2シリーズが登場するまでは、デュアルコアAthlon64 X2の高値を発売以来長らく維持してきました。
しかし、Core2シリーズの発売は、CPUの勢力図を塗り替え、既存のCPUをシリーズごと一気に過去のものとしてしまうほどのエポックメーキングなことであり、AMDとIntelの立場も一気に逆転しました。
以来、AMDは、2006年9月下旬〜10月にAthlon64 X2 5000+(2.6GHz、L2 512KB×2)と 5200+(2.6GHz、L2
1MB×2)を、2007年1月下旬〜2月に 5400+(2.8GHz、L2 512KB×2)と 5600+(2.8GHz、L2 1MB×2)を発売し、2007年9月にTDP85W版の6000+(3.0GHz、L2 1MB×2)と6400+(3.2GHz、L2 1MB×2)を投入しています。
しかしクロックアップした最高クロックのAthlon64 X2 6400+でも、Core2 Duo E6600と同程度というレベルであり、消費電力が高いAthlon64 X2 6400+は選び難いという状況です。
なおAthlon64 X2も、5400+までのモデルでは消費電力の低いTDP65W版があり、6000+(3.0GHz、L2 1MB×2)もTDP85W版がありますが、乗り換えたいという魅力はないでしょう。
この間、大幅な値下げを何度も繰り返し、Athlon64 X2シリーズは全て2万円以下の価格で購入できるようになり、とにかくAMD製CPUは価格が安くてお買い得であるというかつてのイメージを取り戻しています。
とにかく安く組むのであれば、Vistaで快適に使えるとAMDがアピールしているRADEON X1250を統合したAMD690Gチップセットを搭載するマザーボードを使用してTDP65W版のデュアルコアAthlon64 X2を使うと良く、AMDのプラットフォームは優れています。
AMDにとって2007年は苦境の1年でしたが、11月下旬にSocketAM2+の「Spider(コードネーム)」プラットフォームを発表し、「Spider」プラットフォームのクアッドコア・プロセッサ「Phenom」シリーズが発売され、Intelより一足早く軸足をクアッドコアプロセッサに移しています。
この「Spider」プラットフォームは、待望の「Phenom」プロセッサに加えて、AMD 790FXなどAMD7シリーズ・チップセットを搭載するマザーボードと、RADEON HD 3800シリーズのGPUを搭載するビデオカードと組み合わせて、すべてAMD製品で構成するプラットフォームの名称として付けられています。
そして「Phenom」シリーズは、2007年内に「Phenom 9500(2.2GHz、L2 2MB、L3 2MB)」、「Phenom 9600(2.3GHz、L2 2MB、L3 2MB)」、「Phenom9600 BlackEdition」が発売され、この3モデルの中では、年末に登場した「Phenom9600 BlackEdition」が倍率可変(「内部クロック=外部クロック×倍率」の倍率の方が変更できること)のクアッドコアCPUとして人気があって売れています。
「Phenom」プロセッサは、Socket AM2+、HyperTransport3.0、DDR2-1066メモリーをサポートし、各コアごとの512KBのL2キャッシュに加えて共有L3キャッシュ2MBを搭載しており、初めから1つのダイに4基のCPUコアを内蔵することを前提に設計されていることから「真のクアッドコア」とアピールされています。
しかし技術的には先進性があっても、「Phenom 9600」のパフォーマンスはIntelのクワッドコア「Core2 Quad Q6600(2.4GHz、4MBX2)」を超えていない性能であり、やや期待はずれという感じです。
「Spider」プラットフォームは、2006年7月に、AMDがATIを吸収合併することが発表されて以来目指してきた念願のAMD純正のプラットフォームの実現であり、「Phenom」シリーズは、これまでの「Athlon」というブランド名を使わずに登場した期待のプロセッサですが、スタート時点でパフォーマンス的に飛び抜けたモデルが提供されているわけではなく初めから苦戦です。
そのため、発売当初から大きく値下がりをして、デュアルコアCPUの相場と変わらない価格で販売されるようになりましたが、TLBエラッタの問題が表面化し、その修正リビジョンのリリース待ちという雰囲気となりました。
そして、2008年3月末に、TLBエラッタが修正された「Phenom9850 BlackEdition(2.5GHz、L2 512KB×4、L3 2MB」、「Phenom X4 9750 (2.4GHz、L2 512KB×4、L3 2MB)」が発売されましたが、同時期に45nm版の「Core2 Quad」シリーズが発売され、時すでに遅しという感じです。
クアッドコアのメリットは、AMDのイベントで動画のエンコードなどマルチメディア系の処理時間が短縮できることをアピールしており、AMDがクアッドコアに火を付けたという印象ですが、クアッドコアといえば世間では「Core2 Quad」に関心が移っています。
なお、シングルコアからデュアルコア初期までのCPUの進化と経緯を以下に説明しますので、時間があれば目を通してみてください。
3 シングルコアからデュアルコア初期のCPUの進化
私が最初に買ったWindowsマシンは、NEC製でIntelのPentium75MHzが載っており、1年ぐらい後にIntelの125MHzのオーバードライブプロセッサを付けました。メーカー製のパソコンは、CPUが交換できないためです。
自作を始めてからは、 初めはK6-266、K6U-400、AthlonK7-750、AthlonK7-1.2GHzとAMD製を使ってきました。2003年の年始にコンパクトなセカンドマシンを組立てましたが、熱対策が心配でCeleron2.2GHzを選び、6年ぶりにIntelのCPUを使いました。
(詳しくは、「コンパクトPC自作Socket478」をご覧ください。)
その次の、メインマシンのアップグレードの時は迷いましたが、FSB800MHzでデュアルチャネルDDR400メモリーが安定動作するPentium4
2.80CGHzにしました。Athlon XPも3000+以上は、デュアルチャネルをサポートしていますが、メモリーの相性が難しく、当時は安定動作するメモリーが滅多に無いという状況であったためです。
(詳しくは、「PCアップグレードSocket478」をご覧ください。)
2005年始に、リビングで使うためにLGA775版Pentium4
540を使い、もう1台セカンドマシンを組み、メインマシンはAthlon
64 3500+にアップグレードしました。Pentium4かAthlon
64か、どちらか一方を選ぶのであれば迷うところでしょう。(詳しくは、「LGA775 Pentium4 PC自作」と「Socket939 Athlon64 PC自作」をご覧ください。)
そして2006年8月、Core2 Duoシリーズが発売され、早速メインマシンでCore2 Duo E6600を使っています。(詳しくは、「Core2 Duo PC自作」をご覧ください。)
なぜ速いCPUが良いのか一例を挙げます。Windows95の時代に、金沢将棋というソフトを購入しました。コンピュータ同士の最強レベルの対局モードで、Pentium75MHzでは、1時間で終局しなかったのがK6-266MHzでは30分ぐらい、Athlon750MHzでは10分ぐらい、Athlon1.2GHzでは5分ぐらいで対局を終えます。
思考ルーチンに時間のかかる将棋ソフトは、CPUの性能アップがそのまま結果として現れますが、一般的には、CPUの性能アップが倍となれば、その半分の5割強のスピードアップが期待できます。新しいソフトはCPUの性能に期待して、どんどん重いソフトが開発されているのです。
K6-400は、Windows98への移行時にバッチを当てないとトラブルが発生しましたが、この時はCPUのせいだけではなく、マザーボードのチップセットもこなれてなく、バッチを当ててもあまり安定してなかったと思います。
しかしAthlonになってからは、AMD製だからといってトラブルとなることもなく安定して動いており、Athlonが実クロック表記でなく、Pentium4のクロック相当表記(例えばAthlon
64 3200+はPentium4 3.2GHzに相当)になって、ほぼ相当表記どおりの性能なのでしょう。
2005年6月、Intel、AMDともにデュアルコアCPUを投入し、CPUを性能面で総合的に比較して選ぶことが難しくなっています。
このデュアルコアCPUの登場は、CPUの動作クロックを上げると発熱を抑えることができず、Thermal
Design Power(TDP)が大幅に上昇するため、これまで続けてきたCPUの高クロック化によるパフォーマンスのアップが望めなくなった苦肉の策でもあるのです。
Intelの最初のデュアルコアCPUは、Pentium Dシリーズ、AMDはAthlon64
X2シリーズですが、販売価格はPentium Dはメインストリーム向けの価格帯、Athlon64
X2はハイエンド向け価格帯と大きく異なります。
これはPentium Dシリーズが、Pentium
D 840(3.2GHz)を筆頭に動作クロック3.2GHz〜2.8GHzで登場し、既存のシングルコアのPentium
4の動作クロック3.8GHz〜2.8GHzの下位モデルのクロックと同じなため、比較的安価な価格設定で発売されました。
一方、Athlon64 X2シリーズは、Athlon64
X2 4800+(2.4GHz、L2 1MBx2)、4600+(2.4GHz、L2
512KBx2)、4400+(2.2GHz、L2 1MBx2)、4200+(2.2GHz、L2
512KBx2)とモデルナンバーが示すように、シングルコアの最上位のAthlon64
4000+より全てパフォーマンスが良いということで、高価なCPUとして登場しました。
すぐ8月に、Athlon64 X2 3800+が追加されましたが、それでも一般的なユーザーにはメインストリーム向けのCPUとしては買い難い価格でした。
AMDでは、Athlon64 X2は、先進のダイレクトコネクト・アーキテクチャを採用する真のデュアルコアとアピールしています。
これはPentium Dが、2つのコアのメモリとI/Oトラフィックを外部のメモリコントローラに依存しているのに対し、メモリコントローラ
が内蔵されているAthlon64 X2は、2つのコアがSystem
Request Queueという高速な内部バスで接続されることからパフォーマンス的に有利なためです。
2006年5月に、AMDは新型CPUソケットであるSocket AM2版プロセッサをリリースし、このSocket AM2プラットフォームは、Athlon 64 FX、デュアルコアのAthlon 64 X2、シングルコアのAthlon 64、Sempronと、当時のハイエンドからバリューPC向けまで全てのプロセッサをカバーするプラットフォームとなります。
同時に既存のモデルもSocket AM2版の出荷が始まり、AMDのプライスリストを見ると、デュアルコアのAthlon 64 X2は4800+〜3800+まで全てのモデルでSocket AM2版が用意され、新たにAthlon 64 X2 5000+と4000+が追加されています。
このSocket AM2プラットフォームへの移行は、メモリーが少し高速なDDR2メモリーのサポートへと変わること、単一のPCを複数の仮想マシンとして機能させることが可能なAMD Virtualizationが利用可能なことが主なメリットです。
ライバルのIntelからは、2006年夏にデュアルコアプロセッサのCore2シリーズが登場しています。このCore2シリーズは、消費電力が抑えられていて性能は優れており、IntelとAMDの立場は一気に逆転し、AMDはこれまで高値を維持してきたAthlon64 X2を大幅に値下げして対抗しています。
このCore2シリーズの登場とAthlon64 X2の大幅な値下げにより、中々進まなかったデュアルコアCPUの普及が進みました。
デュアルコア化によるメリットは、例えばTV録画しながらエクセルを使う、ハードディスクのウイルスチェックをしながらWebサーフィンをする、音楽をダウンロードしながらデジカメ写真を編集するなど、マルチタスクに強いことがアピールされています。
さらに一つのアプリケーションでも、マルチスレッド(複数の実行単位を同時実行)に対応したアプリケーションでは、デュアルコアのメリットも大きくなります。
しかし、マルチスレッドに最適化したアプリケーションの登場は先のことで、例えば一つのアプリケーションで高負荷のかかる3Dゲームでは、シングルコアの高クロック、高性能プロセッサのベンチマークのスコアが勝ります。
デュアルコアCPUの普及で、今では中古品しか購入できませんが、続いてシングルコアのCPUの進化について参考までに説明します。
AMDのシングルコアの最終形のAthlon64は、いち早く64ビット命令セットをサポートしていることが最大のセールスポイントです。
これはOSであるWindowsの方も64ビット版のWindowsXPを使用し、64ビット命令セットをサポートするアプリケーションを使用しないと本来の真価は発揮できないのですが、2005年4月に、WindowsXP Pro x64 Editionがリリースされています。
なお、既存のゲームなど32ビットアプリケーションのベンチマーク結果も上々であり、Athlon64は性能重視派に人気がありました。
また早い時期(2004年6月)からAthlon64全モデルは、拡張ウィルス防止機能(Enhanced
Virus Protection)を搭載しており、WindowsXP SP2(ServicePack2)を適用したパソコンでは、特にバッファ・オーバーランによるコード実行などのウィルスの攻撃に対するシステムの耐性を高めるセキュリティ機能を実装しています。
このAthlon64は、発売当初はSocket754版でしたが、すぐにSocket939版が主力となり、Socket939版のAthlon64は、2004年秋にWinchesterコアのAthlon64、2005年4月に、新たにSSE3をサポートした新型コアのSanDiegoコア(L2 1MB)とVeniceコア(L2 512KB)が投入され置き換わり、そして2006年5月に登場したSocketAM2版のAthlon64がAMDのシングルコアの最終形です。
一方インテルのPentium4の方は、Prescottコアのプロセッサが2004年2月にSocket478版で登場しました。その後、半年でLGA775版のPentium4がリリースされ、LGA775プラットフォームに移行しています。
このLGA775プラットフォームへの移行は、CPUソケットがLGA775に変わるだけでなく、メモリーはDDR2メモリー、ビデオカードはPCI
Express x16のサポートが基本となるため、移行当初はアップグレードするには敷居が高いという状況でした。
そのため移行後しばらくは、LGA775プラットフォームでも、グラッフィックオンボードで既存のDDRメモリーが使えるマザーボードが売れ筋でした。
また、PrescottコアのPentium4は、消費電力が多く発熱が大きいため、当初はあまり歓迎されてなく不人気でしたが、IntelがNorthwoodコアのPentium4の製造を終了した後、2005年に入って、ようやく売筋になったという感じです。
LGA775版のPentium4は、プロセッサナンバを採用しており、2004年初夏に発売された初期モデルはプロセッサナンバの500番台シリーズですが、2004年末に500番台シリーズのナンバー末尾に「J」の付くモデルが、年が明けて2月末にL2キャッシュが2MBと必要以上に大盤振る舞いの600番台シリーズが、次いで6月に500番台シリーズのナンバー末尾が「1」となるモデルが登場しています。
このように目まぐるしくPentium4がモデルを追加している要因は、Athlon 64で実装された機能を後追いで取り込んでいるためであり、「J」の付くモデルは、セキュリティ機能であるExecute
Disable Bit機能(NX機能またはXD機能とも呼ばれます)が付加され、さらに、600番台シリーズは、Extended Memory 64
Technology (EMT64機能)とEnhanced Intel SpeedStep technology(EIST機能)が加わっています。
EMT64機能はWindowsXP Pro x64 Edition
のサポート、EIST機能はAthlon 64 のCool'n'Quietのように発熱や消費電力を抑える機能であり、機能的にAthlon 64と比べれるのはPentium4の600番台シリーズと500番台シリーズのナンバー末尾が「1」となるモデル以降です。
そして平成2006年始に、既存のモデルを置き換える形で、65nmプロセス製造のPentium
4 661(3.60GHz)、651(3.40GHz)、641(3.20GHz)、631(3GHz)が登場し、ラインアップもすっきりしましたが、これがシングルコアの最終形となりました。
2004年までは、IntelとAMDのプラットフォームの違いが大きく、将来の拡張性をどう考慮するか、現時点でのコストパフォーマンスをどの程度重視するのかというバランスが選択の一つのポイントでした。
つまり新しくパソコンを組むとしても、1年後にCPUのみ換えるのか、2年後にCPUとマザーボードを換えるのか、3年後に主要パーツを一気に換えるのかという次のアップグレード考慮すれば、選択の拠りどころになるという面がありました。
しかし、AMDのプラットフォームでもPCI ExpressとDDR2メモリーをサポートし、CPUの付加機能も前述のとおりIntelが追随し、また似てきています。
かつてはクロックが倍のCPUが出たら買い換えていくこと、またCPUに使う費用は3万円程度までが一つの目安でしたが、現在は、IntelもAMDもCPUのデュアルコア化が一気に進み、異なる種類のCPUのパフォーマンスは単純にクロックでは比較できません。
一気にCPUの勢力図を塗り替え、Athlon64 X2を劣勢に追い込んだCore2シリーズも、Coreアーキテクチャ、つまりアーキテクチャ(技術)が優秀ということがベースにあります。
しかし、優秀なCore2シリーズも64ビットでの性能の向上が少ないという弱点があると言われており、将来のロードマップは不透明ですが、AMDもIntelもクアッドコアプロセッサへの移行に既に注力しており、このクアッドコアでのアーキテクチャが争点となっていくことでしょう。
2007年1月30日に、Windows VISTAが登場し、Vistaでは64ビット版と32ビット版のどちらか選んで購入できます。
現時点では、64ビット版のドライバやソフトウェアが十分揃っていないため、圧倒的に32ビット版が売れていますが、むしろ64ビットへの対応もハードウェアは先行しています。
CPU、メモリー、HDDは、価格変動が大きく、地域のパソコンショップでは秋葉原価格より随分高い価格で販売されている製品もあり、価格が不満であれば、通販ショップでの購入を検討してみると良いでしょう。
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